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    第2次トランプ政権が発足 就任初日の行政措置を整理

    米国の第47代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が1月20日に就任した。連邦議会議事堂で行われた就任式には、テスラのイーロン・マスクCEO、Amazon.comのジェフ・ベゾスCEO、メタのマーク・ザッカーバーグCEO、アルファベットのスンダー・ピチャイCEO、TikTokの周受資CEO等が顔を揃えた。

    トランプ大統領は事前に明らかにしていたとおり、大統領令や覚書等に次々と署名。バイデン前政権の政策を大きく転換させ、自らの公約を迅速に実現させる姿勢を示した。就任初日に講じられた行政措置のうち、通信・放送分野に関連する主なものは以下のとおりである。

    <FCC委員長の任命>
    連邦通信委員会(FCC)委員長に現委員で共和党系のブレンダン・カー氏を任命した。同氏は声明を発表し、FCC委員長として、技術・メディア規制、周波数政策、インフラ整備、宇宙経済促進を通じて成長と雇用の機会を創出するとした。ただし、カー氏がこうした施策を進めるには、FCCで共和党委員が多数派となることが必要となる。トランプ大統領は1月16日、上院軍事委員会の専門スタッフを務める共和党系のオリビア・トラスティ氏を新たなFCC委員に指名している。

    <FTC委員長の任命>
    連邦取引委員会(FTC)委員長に現委員で共和党系のアンドリュー・ファーガソン氏を任命した。ファーガソン氏は「トランプ大統領のリーダーシップの下、前政権による米国的生活様式への攻撃を終わらせ、企業、労働者、消費者の新たな黄金時代を迎え入れる」との声明を発表した。なお、民主党系のリナ・カーン前委員長は通常の委員となるが、後任が議会で承認され次第、委員職から退く。トランプ大統領は2024年12月10日、新委員に共和党系の反トラスト法専門弁護士であるマーク・メダー氏を指名している。

    <TikTok規制法の施行延期>
    司法長官に対し、「外国敵対勢力が管理するアプリから米国人を保護する法(TikTok規制法)」の施行を75日間延期し、最適な対策を検討する時間を確保するよう指示する大統領令を発令した。トランプ大統領は、TikTokの米国事業を存続させる条件として米国資本が株式の50%を所有することを提案しているほか、TikTokとの取引が中国で承認されない場合には関税を課す可能性も示唆している。ただし、法律の専門家らからは「大統領には法律を撤廃する権限はない」との見方も出ている。

    <政府による検閲の停止>
    連邦政府の職員や代理人が米国民の言論の自由を侵害する行為に関与したり、税金を投じたりすることを禁じる大統領令を発令した。また、司法長官に対し、バイデン前政権下での検閲行為を特定し是正措置を提案することを指示した。トランプ大統領は、バイデン前政権がオンラインプラットフォーム上の米国民の発言を検閲し、ソーシャルメディア企業等に圧力をかけたと批判している。

    <AIリスクに対処する大統領令の撤回>
    バイデン前大統領が2023年10月に署名した「AIの安全・安心・信頼できる開発と利用に関する大統領令(AI大統領令)」を撤回する大統領令を発令した。AI大統領令は、商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)に対しAI安全性テストの基準を策定すること指示するほか、国家安全保障に重大なリスクを及ぼす可能性のあるAIシステムを開発する者に対して、一般公開前にAI安全性テストを実施し、その結果を連邦政府に共有することを義務付けるものであった。大統領選挙に向けて共和党が2024年7月に採択した政策綱領では、AI大統領令がAIのイノベーションを阻害するとして、その撤回を公約として掲げていた。

    <政府効率化省の設立>
    政府効率化省(DOGE)を設立する大統領令を発令した。行政管理予算局傘下組織の米国デジタルサービス(USDS)を米国DOGEサービスに改称し大統領府内に再編する。ただし2026年7月4日まではUSDS内に期間限定でDOGE臨時組織を設立する。連邦政府のテクノロジーとソフトウエアの現代化を通じて連邦政府の効率性と生産性を最大限に高めることを目的とするが、具体的な役割は現時点では不明。イーロン・マスク氏がDOGEを率いる。なおDOGEは、連邦諮問委員会の機能や透明性について規定する「邦諮問委員会法」に違反しているとして、既に複数機関から提訴されている。

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  • 2025年1月20日、就任式を終えたドナルド・トランプ大統領は、前政権で発行された78件の大統領命令を撤回する大統領命令に署名、その中には、2023年10月の「安心・安全・信頼できるAIの開発及び利用」に関する大統領命令(第14110号)も含まれる。そのうえで、トランプ大統領は1月23日、バイデン政権のAI政策を撤廃し、米国のAI世界支配を強化する大統領命令に署名した。

    これは「米国のAIイノベーションに対する障壁除去」に関する命令で、AIにおける米国の優位性を維持し強化するという米国のコミットメントを確立するものとなる。

    ホワイトハウスは、本命令に伴って公表されたファクトシートで、米国のAIシステム開発は、イデオロギー的な偏向や作為的な社会的意図から自由でなければならず、政府の適切な政策により、米国はAIにおけるリーダーとしての地位を確固たるものとし、すべての米国民にとって明るい未来を確保することができるとしている。

    このため、今回の命令は、科学技術担当大統領補佐官(マイケル・クラチオスが指名)、ホワイトハウスのAI・暗号資産特別顧問(ディビッド・サックス)、国家安全保障担当大統領補佐官(マイケル・ウォルツ)が中心となり、米国のAIの優位性を維持・強化する「AI行動計画」を180日以内に開発するよう指示している。

    その一方で、ホワイトハウスのファクトシートは、2023年のバイデンAI大統領命令はAIを開発・展開する企業に不必要に負担のかかる要件を設け、民間のイノベーションを阻害し、米国の技術的リーダーシップを脅かすものと位置付け。新たな命令は、各省庁に対して、2023年大統領命令の下で実施された既存のAIポリシーを検証し、AIにおける米国のリーダーシップ強化と矛盾するあらゆる政策、指令、規制、命令、その他の行動を修正又は撤回するよう求めている。

    さらに、本命令は、米国のAIリーダーシップに対する有害な障壁が確実に取り除かれるよう、連邦政府によるAI調達とガバナンスに関する各省庁への行政管理予算局(OMB)指令を改訂・再発行するよう命じている。

    トランプ大統領は、同日、大統領科学技術諮問委員会(Presidenst’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)再承認も公表しており、この中で、米国AIイニシアチブや国家量子イニシアチブを含む重要技術でイノベーションを後押しする国家イニシアチブの開始を指示しており、そこでは研究、戦略的投資、人材開発を優先するよう求めている。

    こうした政権の動きに呼応するように民間企業の取組みも活発となっており、トランプ大統領は、2025年1月21日、OpenAI、Oracle、Softbankによる合弁事業Stargateプロジェクトを公表した。Stargateは、初期投資1,000億ドル、今後4年間で5,000億ドルを投資してAIデータセンター等を構築する計画で、雇用10万人を見込んでいる。テックパートナーには、Nvidia、Arm、Microsoft等の名前も挙げられている。

    この他にも、大手テクノロジー企業によるAIインフラ構築への投資意欲は高まっており、Microsoftは2025会計年度に800億ドルを投資する計画、Amazonは2025年に2024年の750億ドルを上回る投資を計画しており、Metaは2025年のAI設備投資を2024年の400億ドルから最大650億ドルに増加することを明らかにしている。

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    • フランスフランス
    • クラウド、ビッグデータ、コネクティッド
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    生成AIベンチャー「Mistral AI」のプログラム開発が加速

    フランスの代表的な生成AIベンチャーMistral AIは、2023年の創業以来、オープンソースと商業ベースの双方で多様な商品を提供してきた。商用モデルでは、Microsoft、IBM、Amazon等と提携、複数のクラウドプラットフォーム上で、多様な製品が入手可能となっている。2024年からの代表的なシリーズには、数学的処理・コーディング能力に優れた「Mixtral」、数値・画像の読み取りや分析に優れ、手書き文字の処理も可能な「Pixtral」、12言語対応の「Mistral Large」等がある。テキストデータの記憶容量はおおむね128Kに達している。

    2024年末からの主な成果は、複数の文章の統合、フォーマット作成、画像の作成・分析、タスク管理等に優れたオープンソースウェア「Chat」のリリースである。Mistral AIは2025年1月半ば、大手通信社France Press Agency(AFP)にニュース記事作成補助ツールとしてこのプログラムを提供すると発表した。「Chat」は英独仏西のほか、ポルトガル語とアラビア語の6か国語への対応が可能で、全世界から集めた情報を精査、最新のものを選出するとともに、読者にとって読みやすい文体や形式に整備できる。また情報ソースの検索、確証により、記事の信頼性を高めることができるとされている。

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    • 中国中国
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    国家発展改革委員会など、データ産業の高品質発展を推進

    国家発展改革委員会などの政府部門は2024年12月、「データ産業の高品質発展の促進に関する指導意見」(以下、「指導意見」)を公布した。データ産業について、「指導意見」は、データの収集、蓄積・処理、流通取引、開発利用、セキュリティ管理、及びデータインフラ建設などを含む新興産業であると明示した。

    「指導意見」では、2029年までに、データ産業構造の最適化を図り、産業規模の年平均成長率が15%を超える目標を掲げた。また、クラウドエッジエンド・コンピューティング技術、新しいストレージ技術、データアノテーション、データ合成などの中核技術の開発に重点を置き、強力に推進することが明示されている。これを踏まえ、「指導意見」では、次のようなイノベーションの強化が示されている。

    データ分野の科学実験室、技術イノベーションセンター、企業技術センターなどの科学技術イノベーション・プラットフォームの構築を支援し、企業の革新主体としての役割を十分に発揮させ、データ産業のトップランナー企業が川上および川下の企業、科学研究機関、大学などと提携してイノベーション・コンソーシアムを設立することを支援し、オープンソースのガバナンスエコシステムを整備する。

    以上のような方針を受け、2025年1月に、データ産業の振興において重要な役割を担う国家データ局によって示された2025年における主な取組みには、全国一体型データ市場の育成や、公共及び企業データの開発・利用の推進、データ産業の育成に向けたデータ基礎制度の構築などが含まれている。

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  • 韓国が、EUに引き続き世界で二番目に包括的なAI法を有する国となった。AI産業促進と安全面確保の両立を図る「人工知能発展と信頼基盤造成等に関する法律(以下AI基本法)」制定案が昨年12月26日に国会本会議で可決された。韓国は世界でAIトップ3国家入りを目指し、2024年中にAIガバナンスを整え、AI基本法制定はその中で最も重要なステップと位置付けられている。AI基本法の施行は2026年1月。
     
    AI基本法は①国のAIガバナンス体系、②AI産業の体系的育成、③AI関連の危険の予防措置を盛り込み、主な内容は次のとおり。
    -3年ごとのAI基本計画策定。国家AI委員会やAI安全研究所の運営根拠
    -研究開発や学習用データ、AIデータセンター、集積団地等AI産業育成支援
    -高影響AI・生成AIに対する安全・信頼基盤造成。民間によるAIの安全性検証、AI影響評価に対する政府の支援根拠等
     
    政府は下位法やガイドライン制定の後続措置を2025年上半期中に進める予定。
     

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    • オーストラリアオーストラリア
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    政府、消費者保護に関する通信メディア庁の権限強化のために通信法を改正へ

    オーストラリア政府は1月21日、通信消費者の保護強化のため、「1997年電気通信法」を改正し、通信メディア庁(ACMA)の通信事業者に対する執行権限を大幅に強化し、違反に対する罰則を引き上げる方針を発表した。
     
    現行制度では、ACMAが、通信事業者が「産業コード(industry codes)」に違反したことを確認した場合、まず遵守命令を発行し、その後に執行措置を取るという段階を経る必要があるが、法改正により、ACMAは直接的な執行措置を取ることが可能になる。
     
    さらに、産業コード違反に対する罰則の上限額を、現行の25万AUDから1,000万AUDに引き上げることも提案されている。この改正により、通信事業者の売上高や違反の規模を基に罰則額を決定する仕組みが整備され、違反行為が与えた被害の程度に応じた適切な罰則を科すことが可能となる。
     
    加えて、ISP等に適用される免許分類である「搬送サービスプロバイダ(Carriage Service Provider:CSP)」を登録制とする意向も表明された。登録制導入により、ACMAはCSPに対する教育およびコンプライアンス活動を強化するとともに、リスクの高い事業者の市場参入を防ぐ仕組みを整備する考えである。
     

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国別・地域別トピック

国別・地域別トピック

  • カナダ政府は2025年1月24日、カナダ・ポストへの最大10億3,400万カナダドルの返済義務付き資金提供を2025-26会計年度までに実施する。この短期融資はカナダ・ポスト公社法の規制内で行われ、財務課題に直面する同社の支払能力維持と事業継続が目的である。

    この措置は構造的問題の解決とはならないが、政府と同社が長期的な存続可能性を確保する計画を策定する間の財務的橋渡しとなる。

    事業モデルの現代化とユニバーサルサービスの維持は緊急課題で、特に中小企業や地方部での重要性が高い。同社は政府と協力し、配送ニーズの変化への対応と財務的自立の回復を目指す。

    同社は2018年以降、配送部門の変化や高い労務費、旧来の規制により大幅な損失を計上。現金準備金の取り崩しで対応してきたが、この融資なしでは2025年第2四半期までに準備金が枯渇する見込みである。

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  • フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、1月7日、政治的優先課題の実現に向けた横断的イニシアチブや水平的政策の連携を確保するため、14のプロジェクトグループを欧州委員会内に設置した。各プロジェクトグループは、それぞれ独自の権限、組織構成、活動期間及び運営方式を有する。設置された14のプロジェクトグループの構成は、以下のとおり。
     
    ①クリーン・インダストリアル・ディール
    ②人工知能(AI)
    ③対外行動
    ④技能・雇用・社会的権利
    ⑤経済安全保障
    ⑥防衛同盟
    ⑦欧州貯蓄投資連合
    ⑧備えの連合
    ⑨欧州域内安全保障
    ⑩水レジリエンス
    ⑪アフォーダブル・ハウジング
    ⑫スタートアップとスケールアップ
    ⑬欧州民主主義シールド
    ⑭農業と食糧ビジョンとなっている。
     
    このうちAIプロジェクトグループは、産業界、公共サービス及び社会全体のAI導入に向けて、研究、実証、イノベーションから産業プロセスや公共サービスへの応用まであらゆる段階を含む統合的アプローチの開発を指揮し、生産性向上、成長及び競争力へのAIの貢献を最大化する。特に、応用AI戦略の準備を統括するとともに、文化・創造産業向けのAI戦略、欧州AI研究評議会、エネルギー分野におけるデジタル化とAIの戦略的ロードマップ、民事・刑事司法におけるAI活用を含むデジタル技術の活用戦略等の個別政策に特化した行動も統括する。また、プロジェクトグループは、AIのイノベーションと普及に関する目標の進歩状況を定期的に評価し、必要な政策調整に係る指針を提示する。
     
    AIプロジェクトグループの議長には、技術主権・安全保障・民主主義担当のヘンナ・ヴィルクネン執行副委員長が就任する。AIを含むプロジェクトグループの活動期間は一年間とされているが、委員長の決定に基づき活動期間を延長することも可能である。
     

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  • モバイル大手ヴァージンメディアO2(VMO2)は、電話詐欺師の時間を浪費する「AI Granny(AIおばあちゃん)」ともいうべきチャットボット「デイジー(Daisy)」を開発した。詐欺師からの電話にリアルタイムで対応し、できるだけ長く顧客から引き離すことができる。
     
    デイジーは、最先端のAIテクノロジーを使用して作成され、ユーチューブで有名な詐欺師ジム・ブラウニングの支援を受け訓練された。本物の老婆と区別がつかないほどリアルで、詐欺師を欺き、完璧なターゲットを見つけたと思わせる。彼女の家族の話をし、編み物への情熱について長々と話し、詐欺師が憤慨すると、偽の銀行口座情報を含む虚偽の個人情報を提供する。
     
    これまでにデイジーは、1,000件以上の詐欺電話を処理し、詐欺師の時間を浪費し、ユーザを保護した。デイジーが応対した電話詐欺の事例は以下のとおりである。
     
    • ほとんどの電話詐欺師は、コールセンターにフルタイムで勤務、決まった台本に従って詐欺を働く。最も一般的な電話詐欺の事例は、iPhoneを安く買えるという内容で個人情報を引き出す手口だった。ある事例では、1回の通話で4人の詐欺師が登場し、最後に「スーパーバイザー」が電話に出て、内容がより本物で緊急であるように見せかけた。
    • 信頼できる企業(銀行、アマゾン、マイクロソフト、配送会社、政府等)になりすまし、高圧的な戦術をとる。差し迫ったお金の損失、コンピュータにハッカーがいる、法的措置をとる等の内容で脅迫を行う。 
    • 必要な情報が聞き出せないとイライラし怒る。最初は友好的で人懐っこい口調だが、電話をかける時間が長くなると、すぐに切り替えて本性を見せ始める。 
    O2は電話詐欺に対抗するため、AIを活用したスパム対策ツールと新しい発信者識別サービスを全モバイルユーザに無料で展開、毎月何百万もの不正なテキストや通話が顧客の電話に届くのをブロックしてきた。しかし電話詐欺の手法は絶えず進化・洗練しているため、企業ユーザはAI専門家に対策を依頼すべきであり、一般ユーザは詐欺の疑いのある電話やテキストメッセージを「7726」(不要なSMSメッセージや電話をテキストで報告できる番号)に転送することを奨励している。
     

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    ロイヤルメール、自社専用小包ロッカーを導入へ

    英郵便事業体ロイヤルメールは、2025年前半までに自社専用小包ロッカー250台を導入する。これは、ネット通販利用者とマーケットプレイス販売者の需要の高まりに応じて小包受取所の増設を急ぐ戦略の一環。

    競合事業者のDPDやエヴリ等がクアディエントやインポストといったロッカー事業者を利用した小包ロッカー網に注力している中、ロイヤルメールは郵便局会社との契約で独占的に郵便局を利用することにより、小包ロッカーを導入していなかったが、郵便局会社との独占利用契約が2020年に終了し、郵便局会社は他の競合他社とも提携を開始した。ロイヤルメールは、配達の遅さや書状の配達を後回しにしているという批判を受けて、2023年12月、小包ロッカーを利用する計画を発表した。

    2024年2月に、ロイヤルメールは、ペイポイント(PayPoint ※英国でマルチチャネル決済および小売サービス用のシステムを提供している企業)が全国展開している小包受取所「コレクトプラス(Collect+)」利用の複数年契約を結んだ(コレクトプラスは、既に多くの競合他社が利用している)。

    さらに2024年3月にクアディエントと提携し、クアディエントの小包ロッカーで、返品小包と料金前納小包の発送サービスを開始した。

    また、2024年夏には、翌年の営業開始を予定している小包ロッカーのスタートアップ企業YEEP!と提携契約を結んだ。この契約のもとで、ロイヤルメールの顧客には、2025年1月から、新たに年中無休24時間利用可能な小包ロッカーが提供されることになった。

    ロイヤルメールが、今回導入した最初の小包ロッカーは、ロンドンにあるマウントプレザント郵便センターの屋外に設置された。新しい赤色の小包ロッカーは同社の顧客専用で、今後、配達局の屋外や小売店など、人通りが多く便利な場所に設置され、24時間365日利用できる。当初は、これらの小包ロッカーは、ラベル印刷を含む小包発送サービスのみを提供し、中古品市場で衣類などを販売する人や、従来のネット通販で返品する人の増加に対応する。近い将来、この小包ロッカーで小包を受け取ることもできるようになる。

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  • 英郵便事業体ロイヤルメールは2025年2月から、1週間の配達日数を実験的に減らすことにしている。約100万世帯を対象に土曜日のセカンドクラス郵便配達を廃止する予定で、これは、平日の1営業日おきにしかセカンドクラス郵便を受け取れないことを意味する(※セカンドクラス郵便は3営業日以内配達)。同社が事業の大改革の一環として実施する、セカンドクラス郵便の土曜配達廃止に向けた第一歩となる。ファーストクラス郵便と小包の配達は、引き続き週6日行われる。

    配達日数削減の実験は、ロイヤルメールの配達局1,200局のうち37局で実施され、第1段階が2月に開始され、その後数か月かけて段階的に拡大される。

    これらの世帯への配達サービスは、実験後も元に戻らないかもしれないという懸念が生じており、高齢者の権利を擁護する団体「高齢者の声(Silver Voices)」などからは、「ロイヤルメールが規制機関オフコム(Ofcom:情報通信庁)から許可を得る前に配達日数削減の実験を行うのは時期尚早だ」との批判も出ている。

    現在、ロイヤルメールはユニバーサルサービス義務に基づき、英国内の全3,200万の住所に週6日書状を配達しなければならないことになっている。しかし同社は、この義務の履行には1日当たり最大200万ポンドの費用がかかっているとして、4年前から改革を訴えてきた。

    オフコムは2025年前半に、セカンドクラス郵便の配達を隔営業日に減らす提案について協議を開始することを予定している。最終決定は2025年の夏に下される見通しで、配達日数削減は2026年から全国で実施される可能性がある。この決定を実行するために議会が法律を変更する必要はない。

    ロイヤルメールの親会社であるIDS(International Distributions Services Plc)は、目下、チェコの億万長者ダニエル・クレティンスキー氏のEPグループによる買収手続き段階にある。

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    英国政府、クリエイティブ産業を支援するため6,000万£を資金援助

    英国政府は2025年1月17日、クリエイティブ産業の振興のため、6,000万ポンドの資金パッケージを発表した(注1)。政府の産業戦略プログラムに基づいた、成長促進を目的としたセクター計画の第一段階の一環として、数百の事業やプロジェクトが資金を受けることになる。

    英国ビジネス銀行(British Business Bank)の支援を受けたこの資金は、ロンドン郊外の新興ビデオゲームスタジオ、音楽や映画の輸出、クリエイティブビジネスに4,000万ポンドを投資し、業界全体の成長を促進することを目指している。

    文化・メディア・スポーツ大臣のリサ・ナンディ議員は、「我々の6,000万ポンドの資金増額は、地元の施設の変革、雇用の創出、企業の支援、そして全国的な機会の拡大を通じて、英国全土の創造的・文化的組織の成長を加速させる支援となるだろう」と述べた。

    ノース・イースト、グレーター・マンチェスター、リバプール市域、ウェスト・ヨークシャー、ウェスト・ミッドランド、グレーター・ロンドン、ウェスト・オブ・イングランド、サウス・ウェールズ、グラスゴー、エディンバラ・ダンディー回廊、ベルファストの各地域が、クリエイティブ産業の優先地域として特定されている。

    また、ナンディ氏は、英国の外務大臣デイビッド・ラミー氏と共同で、英国ソフトパワー評議会(UK Soft Power Council)の設立を発表した。政府によると、同評議会は英国の文化的ソフトパワーの重要性を認識し、より広範な成長と安全保障の目標を推進できる分野の機会を特定することを目指している。

    (注1)
    https://www.gov.uk/government/news/60-million-boost-for-creative-industries-to-turbocharge-growth

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    • ドイツドイツ
    • モバイル
    • 国別・地域別トピック

    周波数免許の延長をパブコメへ

    連邦ネットワーク庁(BNetzA)は、2025年末に免許期間が満了する800MHz帯、1800MHz帯、2600MHz帯について既2024年5月に発表した周波数再割当て原案をパブコメにかけた[1]
     
    大手MVNO事業者であるFreenetから要請があり、1月9日に公聴会を実施し、草案を検討した。公聴会のやり取りも含め、同月23日まで意見募集をしている。
     
    今回の免許期間延長は、他の移動体に用いられている周波数の免許終了時期と合わせるもので、他のEU加盟国との調整も行われている。
     

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    • スペインスペイン
    • ブロードバンド・ICT基盤整備
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    テレフォニカ、2025-26年ユニバーサルサービス事業者へ

    国家市場競争委員会(CNMC)は1月15日、政府が2025-26年のユニバーサルサービス事業者にテレフォニカを指定する方針であることを公表した。ユニバーサルサービスは、「2014年一般電気通信法」の規定に基づき、「一定の品質を有し、地理的条件にかかわらず、利用可能な価格で、すべての利用者が利用できる」固定電話、固定ブロードバンドなどの通信サービスとされており、従来よりテレフォニカが請け負っていた。事業者選定に関しては、通信事業者の入札をベースに、デジタルトランスフォーメーション・公務省(MTDFP)が指名するが、同省が2024年12月に実施したコンサルテーションで入札の意向を示す通信事業者がいなかったため、過去の実績に基づきテレフォニカを継続して同サービス事業者に指名することとなった。
     
    ユニバーサルサービスの品質については、各期間で見直されており、特に固定ブロードバンドについては、近年のサービス需要に対応するため、2023年にデータ伝送速度を下り1Mbpsから10Mbpsへ引き上げられている。現在、2025-26年期のサービス内容が検討されているが、CNMCは、固定ブロードバンドの品質を更に改善する勧告を提出している。主な勧告内容は以下のとおりである[1]
     
    • データ接続速度:ブロードバンドの最低速度を現行の下り10Mbpから30Mbpsに引き上げ、更に努力目標として100Mbpsに定める。
    • データ容量:無線技術・衛星技術を使ったデータ容量の上限を従来の45GBから150GBに引き上げる。
    • 技術条件:ユニバーサルサービスとして提供するブロードバンド技術を定め、いかなる状況でも最低速度が保証される技術環境を確保する。
    • 透明性:ユニバーサルサービスの条件・料金・契約手続きなどに関する情報をテレフォニカのウェブサイトにおいて公開し、情報の透明性を確保する。

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    • マレーシアマレーシア
    • ソーシャル・サービス
    • 国別・地域別トピック

    ソーシャル・メディア事業者の免許状況

    規制改正によって2025年1月からは一定以上の規模を有するソーシャル・メディア・サービスとメッセージ・サービスの提供には、アプリケーション・サービス・プロバイダー(ASP)のクラス免許が必要となった。しかし、関連グローバル企業による免許取得は、遅いペースで進行している。

    規制が開始された時点の1月1日時点で、免許を有していたのはTencent(WeChatを提供)とByteDance(TikTokを提供)で、Telegramが最終段階にあり、Meta(Facebook、Instagramを提供)が調整中とされていた。その後、Telegramが免許を取得し、1月27日時点でMetaが最終段階に入ったとされている。一方で、X社は、マレーシアでの登録人口が800万人に達していないために免許は不要と主張しており、GoogleはYouTubeはソーシャル・メディアではないため免許は不要と主張している。政府は、これらの主張の妥当性について、議論する構えである。

    免許制の導入には事業者のみならず表現の自由の観点からも異論も出ていたため、積極的には免許を取得しないという動きが考えられる。政府は、基本法である通信マルチメディア法を改正して禁錮や罰金刑を導入して、インターネット環境の安全性と持続性の確保を行おうとしている。

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一目でわかる世界のICT

一目でわかる世界のICT

  • 英国オックスフォード大学のロイター研究所が2024年6月に「ロイター・デジタルニュースレポート2024」を公表した。これは世界47か国・地域の約10万人を対象に実施したニュース消費調査の結果をまとめたもので、主な内容は以下のように整理される。
     
    <ニュース離れの進行>
    ニュースへの関心はフィンランドを除くすべての国・地域において長期減少傾向にあり、特に女性や若者による関心低下が著しい。選択的に特定のニュースを回避する人の割合は39%に上り、前年比3ポイント増、2017年比10ポイント増を記録した。ニュースを回避する理由としては、繰り返しが多く退屈、ネガティブな情報で不安感と無力感に苛まれる、情報量が多く辟易する等が挙がった。
     
    <ニュース入手経路の多様化>
    ニュースにアクセスするために報道機関のウェブサイトやアプリを利用している人の割合は22%(2018年比10ポイント減)で、過半数がソーシャルメディアや検索エンジン、アグリゲーターといった第三者のオンラインプラットフォームを利用している。若年層ではニュース関連動画の視聴が人気だが、それら動画の72%も第三者のオンラインプラットフォーム上で視聴されている。報道機関は収益化やユーザーエンゲージメントの面で課題を抱えている。
     
    <AI利用やフェイク情報への懸念>
    回答者の約半数がニュース制作でのAI利用について懸念を示した。特にハード(硬派)ニュースへの懸念は高く、46%が政治ニュース、43%が犯罪ニュース、37%が地域ニュースでのAI利用に不安を感じている。また、AIによるディープフェイクが増加するなか、59%がオンライン上のニュースの真偽について疑惧している。特に今年5月に総選挙を実施した南アフリカ(72%)や11月に大統領選挙を控える米国(81%)ではその割合が高かった。

        

       

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