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注目のICTトピック

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  • 2024年6月20日、運輸省の連邦道路局(Federal Highway Administration:FHWA)は、コネクティッド車両と相互運用可能な車両技術を促進するための補助金として、アリゾナ、テキサス、ユタの3州に合計約6,000万ドルを交付することを公表した。

    この補助金は、FHWAの「コネクティビティによる人命救助:V2X(Vehicle-to-Everything)配備加速」プログラムに基づくもので、これら3州の当局は、V2X技術の新たな展開を加速・促進するための国家モデルとなることが期待されている。

    運輸省ピート・ブタジャッジ長官は、今回の補助金は人命を救う可能性のあるV2X技術の開発と普及を全国的に加速させる一助となるとしている。

    このプログラムは、車両と無線デバイスが互いに、また、路側インフラと通信し、警告を提供することを可能にする技術を通じて、交通安全、モビリティ、効率性に焦点を当てている。

    今回の補助金は、V2X通信の人命救助の可能性を最大限に高めることを目標に、V2X技術の普及を促進するもので、接続された技術がさまざまな機器やプラットフォーム間で有害な干渉を受けずに安全に通信できるようにする。

    アリゾナ州では、マリコパ郡DOTは、主に5.9GHz通信を利用したV2X技術の大規模展開を主導し、750台の物理的路側ユニットと仮想路側ユニットを、交通機関、緊急車両、貨物車両を対象とする推定400台の車載ユニットに接続するために、1,960万ドルを受け取る。このプロジェクトでは、フェニックス市、トールソン市、アボンデール市、マリコパ郡非法人地域、ADOTのUS60沿線に、緊急車両優先、交通弱者検知、交通信号優先、貨物信号優先のアプリケーションを展開する。

    テキサス州では、テキサスA&M交通研究所は、広域ヒューストン地域、テキサスA&M大学(TAMU)キャンパス付近を含むカレッジステーション市、そして、これら二つの大都市を結ぶ通路にV2X技術を導入するため、1,920万ドルを受領する。このプロジェクトは、信号のある交差点に位置する交通弱者(VRU)、さまざまな交通シナリオをナビゲートする緊急対応者、効率的なルートを求める交通事業者、工事区域内で活動する労働者、そして一般的な自動車利用者の安全性、効率性、総合的なモビリティを総合的に向上させる。

    ユタ州では、ユタ州運輸省は、ユタ州、コロラド州、ワイオミング州の3州(人口密度、人口動態、管轄区域、地形、交通施設など多種多様)におけるV2X配備に向けて2,000万ドルを受け取る。プロジェクトは、ユタ州全域、ワイオミング州全長にわたるI-80、デンバー都市圏、デンバーからユタ州境までのI-70、コロラド州を通るI-25を含むコロラド州の主要部分をカバーする。アプリケーションは安全性、モビリティ、環境に重点を置き、測定可能な効果を実証し、接続交差点、天候への影響、カーブ速度警告、旅行者情報、交通弱者、その他の安全警告技術を含む重要なニーズに対応する能力をサポートする。

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  • スマートフォン等の製品の修理を推進するための共通ルールに関する指令、いわゆる「修理する権利指令(Right-to-repair directive:R2R Directive)」が5月30日、EU理事会の採択を持って成立した。

    同指令は、スマートタブレットやスマートフォンなどの技術的に修理可能な製品について、買替え以外のより簡単で安価な修理の選択肢を消費者に与える。洗濯機、掃除機及びスマートフォンのような一般的な家庭用製品においても、保証期間が過ぎた後でも修理する義務をメーカーに課すとともに、品質保証期間中に製品の不具合が明らかになった場合には保証期間を一年間延長することも定めている。また、修理価格の見積もりを含む修理サービス情報の公開を義務付けられている。消費者は、機器の修理期間中、代替品として機器を借りたり、再生品を選択したりすることも出来るようになる。さらに、中古市場を活性化させるため、独立修理業者に中古品の使用を認めない等の契約上又はハードウェア・ソフトウェアによる修理の障壁を設けることを禁止する。

    今後、EU官報に掲載され、掲載後20日目に施行する。加盟国は、施行日から24か月後以内に国内法制化を行う必要がある。

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  • ドイツテレコムは6月13日、26GHz帯のミリ波を用いたローカル5Gと5G(SA)の組合せによる高速5Gサービスの提供を開始したと発表した[1]。
     
    具体的には、ルータを介した遅延は往復で3~4ミリ秒以下の条件下で設定されており、ダウンロードで4Gbps以上、アップロードで2Gbps以上の速度を出している。
     
    特に注目すべきは、ミリ波を利用することで、ミッドバンドの利用に比べアップロードの速度が上がったことで、大量のデータをリアルタイムに送信できる環境が整ったことになる。
     
    最初の顧客はベルリンのウェルナー・フォン・シーボルト産業科学研究所で、自立型産業機械とロボットを、ミリ波を利用したローカル5Gと5G(SA)との両方を扱えるルータで接続しネットワーク化して利用している。同研究所は、今後、このサービスを利用して、産官学連携で自律的な生産、物流、その他課題について実用的な研究開発に取組む予定。
     
    今回のサービス提供事例では、ミリ波の特性上、広帯域で速度が速いもののカバー範囲が狭いため、ミリ波を利用した自前のローカル5GだけでグローバルでシームレスなIoTの実現は難しく、商用ネットワークである5G(SA)との密な連携により実現したというもの。

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    • スペインスペイン
    • スマート社会
    • 注目のICTトピック

    政府、「AI戦略2024」を採択し、AI開発・普及を加速化

    閣僚理事会(Council of Ministers)は5月15日、AI開発・普及を推進するため「AI戦略2024」を採択した[1]。AI技術の開発・普及は、スペイン政府が進めるデジタル政策の重点項目の一つであり、国家デジタル戦略「スペイン・デジタル2026」において、1)AI規制・倫理枠組み、2)AI研究開発、3)国内・国際のAI人材の確保、4)AIのバリューチェーンへの統合に関する施策を展開し、スペイン語と地方州の公用語をベースにした独自の言語モデルの構築や2023年にはEU加盟国では初のAI専担の監督機関「AI監督庁(AESIA)」を設置するなど、独自のAI政策を積極的に推進してきた[2]
     
    「AI戦略2024」は、これらの取組み成果を踏まえ、2024~2025年間に展開する政府の取組みを示したもの。1)AI開発能力の強化、2)官民へのAI普及、3)AIの倫理性の確保を柱に、国内スーパーコンピュータ「MareNostrum5」の活用やAIの普及促進プログラムの実施などを盛り込み、AI開発・普及を加速化するとしている。予算は、15億EURが予定されている。
     
    2024年AI戦略の概要
    ①AI開発能力の        強化
    • スーパーコンピュータ「MareNostrum5」のパフォーマンスの向上と民間部門の利用機会の拡大
    • 大容量データ処理センター(DPC)の新設
    • スペイン語・公用語(カタルーニャ語、バスク語、ガリシア語、バレンシア語)の言語モデル(ALIA)の構築(20%以上のコーパスの達成)
    • AI人材確保のためのAI技術開発プロジェクトのネットワーク化、大学・企業内育成プログラムの展開
    ②官民へのAI導入の加速化
    • 政府機関におけるAI活用促進プロジェクトGobTech Labの実施
    • 民間部門におけるAI活用を支援するKitコンサルティングプログラムの実施
    • AI開発会社への融資プログラムの実施
    • AIサイバーセキュリティビジネスの育成
    ③AIにおける透明性・倫理性・社会的責任の確保
    • 監視機関AESIAの所管業務の拡大
      • AI分析(傾向分析・社会的議論・善良な取組事例・発生リスクなど)
      • 責任あるAI監視(EUのAI規制の順守、オープンモデルの構築など)
      • 国際ベンチマーク(EU内外のAIガバナンス機関との協同)
    • AI倫理関する国際的な意見交換・情報共有機会の拡大
    出所:Artificial Intelligence Strategy 2024[3]
     

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    • 中国中国
    • クラウド、ビッグデータ、コネクティッド
    • 注目のICTトピック

    北京市ハイレベル自動運転モデル区、エリア範囲が順調に拡大

    北京市は、レベル4の自動運転車両の大規模運行をサポートする、世界初となるハイレベル自動運転モデル区の完成を目指している。2020年9月から整備開始した同モデル区は、2023年9月時点で、自動運転の専用通信網によるカバー範囲は60㎢に及んでおり、遅延時間は平均で10ms未満、ハンドオーバー成功率は99.999%に達し、最大通信速度は200Mbps以上で、かつ必要に応じての帯域制御も可能となる。

    Robotaxiのほか、自動運転ミニバス、無人シャトルバス、無人配送車、無人清掃車、無人パトロールカー、自動運転貨物輸送トラック、無人小売販売車を含む8種類の自動運転車両をサポートするほか、信号制御、スマートパーキングなどの利用にも対応する。また、交通コントロールセンターにおいては、管理プラットフォームを通じてのエリア内の交通管理も可能となっている。

    2024年5月に、北京市は自動運転車の試験走行エリアを北京南駅まで拡張すると発表し、併せて6月までに、利用シーンの最適化を図りながら、エリア範囲を600㎢に拡大するとした。具体的には、400以上の交差点と10kmに及ぶ高速道路の路側のインテリジェント化設備を設置し、インテリジェント都市専用ネットワークのフルカバーを実現する。更に年内には北京南駅、豊台駅、朝陽駅、清河駅、城市副中心駅の五つの鉄道駅と北京大興国際空港、北京首都国際空港も自動運転の試験走行エリアに含める。

    北京市政府のような、明確な方針表明及び手厚い支援もあると、企業も進んで取り組むようになり、これまで、自動運転を手掛ける大手の百度(Baidu)のほか、新興企業らによる各種自動運転車両の走行台数は800台を超え、測定走行距離数は約3,000万kmに達した。北京市政府も収集したデータなどの情報をもとに多数の関連標準を策定し、年内に自動運転に特化した法規定の公布も見込まれている。

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    • 韓国韓国
    • モバイル
    • 注目のICTトピック

    第4のモバイルキャリア参入、八度目のとん挫

    約20年間3社体制が続く韓国移動通信市場で第4のキャリアを新規参入させる試みが2010年以降8回にわたり行われてきたが、今回も不発となり、政府の新規参入促進策の在り方が問われている。既存キャリア3社(SKテレコム、KT、LG U+)が免許条件不履行として割当てを取り消された28GHz帯で、今年初めに1社を新規参入させるためのオークションが開催された。その結果、MVNOのStage 5を中心とするStage Xコンソーシアムが驚くほどの高値で落札し、参入に向けた事務手続きを進めていた。しかし、同社の提出書類を検討した科学技術情報通信部が、6月中旬にStage Xに対し、周波数割当対象法人選定取り消しの手続きに入ることを発表。周波数割当ての必須要件であった、5月7日の期日までの払込資本金不足と、株主構成も申請と異なることが、割当対象法人選定取り消し理由に当たると判断された。

    Stage Xが周波数割当申請書に書いた払込資本金額は2,050億ウォン(約225億円)であったが、5月7日時点の払込資本金はこれに到底及ばない金額とされている。さらに、期日までに主要株主6社が資本金を払い込む必要があったが、一部払い込みをした株主はStage 5の1社だけであった。Stage Xは9月までに資本金を払い込むことを主張するが、科学技術情報通信部はStage Xの資金調達計画を信頼できないと判断。6月末以降に「行政手続法」による聴聞を経て7月前半には選定取り消しが最終決定される見通しである。

    これまでの8回の第4のキャリア参入策の失敗はいずれも、候補企業が中小企業で財務能力面に難ありと判断されたことが原因。今回は特に、これまでと違い、通信事業が許可制から登録制に変更されて以降初めての新規参入オークションであった。許可制時代は事前審査で候補者がすべて落とされてきたが、今回はオークションの前に資金力を審査する段階が無かったことが大きな反省点である。科学技術情報通信部は、総合的な研究チームを立ち上げ、周波数オークション制度を含めて多様な根本的問題と制度改善方法を議論するとしている。一方で、人口5,000万人ですでに飽和状態となっている移動通信市場に第4のキャリアを無理に参入させる必要はないという指摘も多く、政府の移動通信市場競争政策の今後が注目されている。

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国別・地域別トピック

国別・地域別トピック

  • 米ソフトウェア大手アドビは6月25日、フェイク情報や生成AIへの懸念に関する国際調査の結果を公表した。調査は米日英仏独の18歳以上の消費者計7,100名を対象に実施したもの。2024年は各国で重要な選挙が実施される「選挙イヤー」であるが、消費者がオンラインコンテンツの信頼性や選挙の公正性に懸念を抱いていることが浮き彫りになった。主な調査結果は以下の通りである。
     
    <フェイク情報の拡散への危機感>
    *米国の消費者の70%、日本の消費者の68%が、オンラインコンテンツの信頼性を確認することは困難であると回答した。
    *米国の消費者の84%、日本の消費者の83%が、オンラインコンテンツは改ざんされやすくフェイク情報になる懸念があると回答した。
    *米国の消費者の76%、日本の消費者の57%が、オンラインコンテンツが生成AIによって作成されたものであるかどうかを判別できることは重要であると回答した。
     
    <選挙の公平性担保への懸念>
    *米国の消費者の80%、日本の消費者の73%が、フェイク情報やディープフェイクは選挙に影響を及ぼす可能性があると回答した。
    *米国の消費者の78%、日本の消費者の61%が、ファクトチェックツールが普及していないため、選挙候補者はPRに生成AIを利用すべきでないと回答した。
    *米国の消費者の83%、日本の消費者の72%が、選挙をフェイク情報やディープフェイクから守るために政府とテクノロジー企業は協力すべきであると回答した。
     
    <消費者のメディアリテラシー>
    *米国の消費者の88%、日本の消費者の77%が、オンラインコンテンツの信頼性を確認するためのツールは不可欠であると回答した。
    *米国の消費者の84%、日本の消費者の78%が、学校のカリキュラムにメディアリテラシーを取り入れるべきであると回答した。

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    UKTV、新しいマスターブランド「U」を立ち上げ

    公共放送BBCの制作部門BBC Studios傘下の商業放送局UKTVは、新しいマスターブランド「U」を7月16日に立ち上げると発表した。

    「U」では、UKTVの無料放送チャンネル群が統合されるとともに、UKTV Playの無料ストリーミング・サービスも移行される。

    UKTVはSamsung TV Plus、Amazon Freevee、Pluto TV、Virginで無料広告付きストリーミングTV(FAST)チャンネルを提供中。今後、UKTVは保有するブランドの連携と活用を強化し、ストリーミングの強化とリニアチャンネルの成長に注力するとしている。

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    • イギリスイギリス
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    Everyone TV、Freely搭載スマートテレビで新たに4社と提携

    英国で無料テレビの進化をリードする組織であるEveryone TV(BBC、ITV、チャンネル4およびチャンネル5による共同運営)は2024年6月24日、複数の新しいスマートテレビブランドが「Freely」のラインナップに加わることを発表した(注1)。東芝、シャープ、パナソニック、Metzの4社は、BBC、ITV、チャンネル4、チャンネル5が支援する新しいストリーミングサービスであるFreelyを搭載するスマートTVを市場投入する。

    これらの四つの新しいブランドが加わったことで、Freely搭載のスマートテレビパートナーは合計6社に拡大した。既存のパートナーはBushとHisenseで、現在、2024年モデルの4KスマートTVにFreelyが搭載され、英国全土の店舗やCurrys、Argos、AO、Veryなどのオンライン小売店で販売されている。

    東芝の新しいFreely対応テレビは、シームレスなQLED 4K没入型視聴とDolby Atmosサウンドを実現する。ユーザーはボタンを押すだけで、リラックスしてFreelyのスイッチを入れることができる。

    Freelyと統合されたシャープの新しいスマートテレビシリーズ(GK4 4KおよびGM6 4K QLEDモデル)は、簡素化されたユニバーサルな発見プロセスを通じて、消費者が圧倒的な数のストリーミングおよびリニアコンテンツの選択肢をナビゲートするのを支援し、ユーザー体験を向上させ、TV需要と視聴率を促進する。

    パナソニックの 2024年ラインナップの 4K OLED、QLED、LEDのテレビにはFreelyが組み込まれる。受賞歴のある画質、最高のゲームやスマートコンテンツ、ライブTVとオンデマンドTVへの簡単なアクセスが実現されている。

    ドイツで最も歴史のあるテレビブランドの1つであるメッツは、ドルビービジョンとアトモスを組み込んだFreely対応のQLED+テレビを新たに発売します。画面サイズは43インチ、50インチ、55インチ、65インチが用意される。

    ドイツで最も古いテレビブランドの一つであるMetzは、Dolby VisionとAtmosを搭載したFreely対応の新しいQLED+ のテレビを発売する。これらは、43インチ、50インチ、55インチ、65インチの画面サイズで提供される。

    (注1)https://www.everyonetv.co.uk/news/press-release/four-new-smart-tv-partners-confirmed

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    • フランスフランス
    • 郵便・物流
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    ジェオポスト、VivaTech 2024で、3つの新ソリューションを紹介

    仏郵便事業体ラ・ポストの国際急送便子会社ジェオポストは、5月22~25日にパリで開催されたVivaTech2024に参加し、3つの新ソリューションを紹介した。

    VivaTechは2016年から開催されているヨーロッパ最大のスタートアップおよびテクノロジーのイベントで、ラ・ポストは創設パートナーの一つでもある。

    今回、ジェオポストは、配送および物流部門の積極的な変革への研究開発のリーダーとしての自負を持って、持続可能性をテーマにした一連のイノベーションを発表するとし、フランス初の太陽光発電ロッカー、自律移動型ロッカー、ハンズフリーバーコードスキャンを可能にする「ProGlove」という代表的な3事例を紹介した。
     
    1 Pickupの太陽光発電ロッカー
    ジェオポストの宅外(OOH)配達部門で、フランス最大の宅外配達ネットワーク(小包取扱店1万7,000店と小包ロッカー2,000台)を展開する「ピックアップ(Pickup)」は、太陽光発電により電力を自給する小包ロッカーを本格導入した。外部電源なしで動作するこの小包ロッカーは、太陽光がなくても最大10日間稼働可能。ピックアップは、今年末までに1,000台の設置を目指している。

    2 DPD UKの自律移動型ロッカーロボット
    ジェオポストの英国事業会社DPD UKは、自律移動型の小包ロッカーロボット「DPDロッカー(DPD Locker)」を開発した。このロッカーロボットは、より持続可能で安全な配送ソリューションを提供するように設計されており、既存のDPDネットワーク・インフラの一角を担うことになる。最大8回の配達を行うことができるほか、事前に決められた公共の場所まで移動して、消費者の返品小包発送所として利用される。

    3 DPD スイスの ProGlove
    ジェオポストのスイス事業会社DPDスイスは、7か所の倉庫で、現場作業員の小包仕分け・移動作業を簡素化するための新しいスキャンソリューション「プログローブ(ProGlove)」を導入した。スマートウォッチ大のこのデバイスは、手の甲に装着するもので、両手の掌と指を使うことなく操作ができるウェアラブルバーコードスキャナ。今までのスキャナを持ち上げたり戻したりする動作と時間が不要となり、作業員は仕分け作業をしながらスキャン作業が同時に行える。そのため、ハンドリング作業の回数は大幅に削減され、小包処理時間は75%短縮される。

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    • フランスフランス
    • ブロードバンド
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    FTTHがブロードバンド接続の約70%に

    仏電子通信・郵便・出版流通規制機関(ARCEP)は6月14日、2024年3月末のブロードバンド市場統計を発表した。政府は2025年までに国内の全戸を光ファイバ接続可能にするとしており、ARCEPも2026年に商業サービス停止、2030年までに物理的な撤廃が行われるとされている旧国営事業者オレンジの銅線撤廃計画の推進のため、特にルーラル地域での光回線普及を急務としている。

    2024年3月末現在のブロードバンド加入件数は前年同期比0.9%増の約3,235万である。ADSL、ケーブル等が微減を続けているのに対し、FTTHは4半期ごとに70~90万の増加を記録、今期はインターネット加入件数全体の69%にあたる約2,224万になった。

    FTTHサービスのカバレッジについては、全国で接続可能な場所は前年同期比9.5%増の3,866万で、インターネット接続場所全体の87%となっている。インフラ提供事業者は、人口密度が高いあるいは事業者がインフラ設置を自発的に行っている地域では、約80%が旧国営のオレンジである。

    一方、自治体が事業者への委託によりインフラ設置を行っているルーラル地域では、インフラ提供のシェアはオレンジ:25%、SFR:19%、Altitude:28%、Axione:21%等となっている。

    光回線の共有化は人口密度にかかわらずどの地域でも順調に進行、都市部では100%、ルーラル地域でも93%、全国平均では98%の回線が通信サービス4事業者のどのプランにも加入可能である。

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    • スイススイス
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    スイス連邦参事会、郵便規則改正へ着手

    連邦参事会(内閣)は2024年6月14日、「郵便規則(Postverordnung)」改正に関する協議草案の策定を決定した。これにより、スイスにおける郵便および金融(送金・決済サービス)分野におけるユニバーサルサービスは、実態に即した制度へと改正され、財政の持続可能性が実現されると期待される。

    連邦環境運輸エネルギー通信省(DETEC)は2025年2月末までに協議草案を作成し、連邦参事会に提出する予定である。

    主な改正内容は以下の通り。

    *送達日数達成率の緩和:送達日数達成率は、書状の場合97%から95%、小包の場合95%から90%へと変更される。

    *配達義務の緩和:常時居住しているすべての”家屋”に郵便物を配達する義務(郵便規則第31条)は、常時居住している”集落”(常時居住している家屋が5軒と定義される)へと緩和される。この結果、約3%に当たる6万世帯が影響を受ける可能性がある。

    *デジタルサービスへの拡充:連邦参事会は、基本的なサービスにデジタル要素を加えることを検討している。例えば、スイス・ポストは、送金・決済取引用の基本口座の保有者全員にオンラインバンキングのオプションを提供し、デビットカードや決済アプリなどデジタル決済手段も提供しなければならない。さらに、書状の内容を暗号化してデジタルで送受信できる「デジタルレター」のオプションもすべての利用者に提供されるべきと考えている。このサービスの利用は任意である。

    連邦参事会は、これらの措置により2026年以降、スイス・ポストが年間4,500万CHF近くを節約でき、ユニバーサルサービスの財源は当面確保されると期待している。しかし、2030年からユニバーサルサービスを包括的に近代化するためにはさらなる措置が必要であると考えている。

    これに対し、スイス・ポストは「これは、2030年以降の現代的なユニバーサルサービスの在り方に向けた重要な第一歩である」とのコメントを公表し、連邦参事会の提案を歓迎した。

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    • ベルギーベルギー
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    ビーポスト、新聞配達のための商業サービス契約を開始

    ベルギーの郵便事業体ビーポストは今年7月1日以降の新聞配達に関する商業サービス契約をフランドル地域の新聞社と結んだ。

    ビーポストは、1991年法により、ユニバーサルサービス事業者に指定された(現在は2028年12月末まで指定を受けている)。また、2018年1月26日付の郵便法、ユニバーサル郵便サービス義務 (USO) 管理契約、SGEI(Services of General Economic Interest ※公共サービス)管理契約とともに、国からの特権的新聞配達協定(press concession agreements)により、ユニバーサル郵便サービスと公共サービスの遂行で同社が負う義務に関する規則と条件、および該当する場合はベルギー政府から支払われる金銭的補償が定められている。

    この新聞配達協定(press concession agreements)は、SGEI管理契約に含まれるサービスで(ユニバーサル郵便サービスには含まれない)、ビーポストは2015年に入札により資格を得てサービスを提供している。当初2020年末までだったこの資格を、ベルギー政府は2019年に、2022年末まで延長した。2022年8月には、さらに2023年末までに延長したが(2023年末までの年間費用(補助)は1億2,500万ユーロ)、政府はその後、新たな入札を行い、ビーポストではなく、PPPが落札した(4年契約)。政府は、移管の経過措置として、ビーポストに、この延長措置をさらに6か月間継続することを認め、2024年半ばまでとする決定を下した(7,500万ユーロの補助金を保証)。

    ベルギーのワロン地域のビーポストの労働組合が、4月にストライキを起こしたが、これは、今後の新聞配達協定が影響する不安要素のために、雇用が失われることを懸念したもの。

    これらの懸念に対し、ビーポストは、社会モデルに沿った新たな提案を考えていると述べ、この7月1日以降のフランドル地域の新聞社との商業サービス契約の発表に至った。

    ビーポストは、今後数年間のさらなる協力についても合意に達したと発表した。この合意により、同地域で従業員の雇用を守ることで社会的ショックを回避し、2025年から異なる流通モデルへのスムーズな移行を実現するという。

    ビーポストは、この商業サービス契約において、高品質のサービスを提供する競争力のある提案で新聞社を説得するために、あらゆる努力をしてきたと述べた。具体的には、ビーポストが2025年までに新聞配達を子会社AMPに段階的に移管する計画であることを意味している。AMPは新聞配達のために常勤スタッフを雇用する下請け業者と協力する。

    ただ、子会社への移管という選択について、ワロン地域のビーポストの労働組合が、「雇用喪失に加えてサービスレベルの低下につながる」と主張していた。

    ビーポストは、7月からの新聞・定期刊行物の配達の商業サービスの詳細と料金についてホームページに提示している(国の特権的新聞配達協定による料金サービスは6月で終了する)。

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    • インドネシアインドネシア
    • セキュリティ、プライバシー
    • 国別・地域別トピック

    オンライン賭博に関する取締強化

    2024年6月、インドネシア政府は、オンライン賭博に対応するためのタスクフォースを組織した。組織の長は、政治・法制・治安調整大臣(1)が勤め、関連する省庁、警察、遠隔地の村落等では国軍も参加する。国外のサイトや銀行口座に直接の手出しができないため、疑わしい銀行口座やコンビニでの送金サービスまで捜査し、オンライン賭博を厳しく取り締まる。

    通信情報省によると、2023年には320万人がオンライン賭博に参加し、約1憶9,800万ドルの金が流れたとされている。Budi Arie Setiadi通信情報大臣は就任以来、「吸血鬼」という表現を使って、オンライン賭博に厳しく対処してきており、2023年後半だけで80万程度の関連サイトを接続禁止とした。

    人口の8割をイスラム教徒が占めるとされるインドネシアでは、賭博自体が禁止されており、参加者の場合、最大10年の禁錮と約1,500ドルの罰金が科される。また、情報及び電子商取引改正法でオンライン賭博には最大6年の禁錮と約60万ドルの罰金が科される。それでも、参加者の数は減らず、家計が破綻するケースも出てきているため、経済的に家族を支援することについても議論が開始されている。


    (1)調整大臣は、内閣の中で各省の大臣より上位に位置づけられる。
     

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    オンライン安全法に基づく「オンライン上の安全に関する基本的な期待事項」が改正

    オーストラリア政府は5月30日、「2021オンライン安全法(Online Safety Act 2021)」に基づき、オンラインサービス事業者がネット利用者の安全性を保護するために行うべき事項を、期待事項(Expectations)として定めた決定文書「2022年オンライン上の安全に関する基本的な期待事項に関する決定(Online Safety(Basic Online Safety Expectations)Determination 2022)」を改正した。

    同決定文書は、オンラインサービス事業者に対して、市民のオンライン安全を確保するための実践的ガイドラインを提供するものであり、「2021オンライン安全法」に基づき、事業者に策定が義務付けられる「産業コード(Industry Code)」と連携して機能することを想定されている。

    なお、今回の改正により、新たな期待事項として提示された内容は以下のとおりである。

    *子どもが利用する可能性のあるサービスでは、子どもの利益を第一に考慮する。
    *ネット安全(eSafety)コミッショナーの要求がある場合、オンラインサービス事業者は自社のエンドユーザ数を報告する。
    *生成AIの設計/運用では、ユーザの安全性を考慮し、違法または有害な投稿/コンテンツが作成される可能性を最小化することに努める。
    *推奨システムの設計/運用では、ユーザの安全性を考慮し、違法または有害な投稿/コンテンツが選択される可能性を最小化することに努める。

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一目でわかる世界のICT

一目でわかる世界のICT

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    世界の121の通信事業者が5G SAに投資

    GSA(Global mobile Suppliers Association)が2023年10月に発表したレポート(「5G Standalone:Global Status Update」)によると(注1)、世界で55の国・地域の121の通信事業者が公衆5G SAネットワークに投資し(導入計画、テスト、免許取得等を含む)、5G SAに投資している通信事業者の割合は全体の20.9%となっている。公衆5G SAネットワークを開始したのは27か国の少なくとも47事業者で、その他に21の事業者が整備中、49の事業者が計画中となっている。また、5G SAサポートデバイスは2,005台で、うち60%が携帯電話となっている。

                              

    なお、5Gサービスをソフトローンチしたのは114か国の300事業者、5G FWAサービスを開始したのは152の事業者となっている。
     
    世界的に5G SA採用が遅れている理由は高コストで(移行にはハードやソフトへの多額の投資が必要)、他に相互運用性、市場の需要等が挙げられている。また、実証済みのユースケースの出現を待って5G SAに投資したいとする事業者もあると報告されている。
     
    (注1)
    https://gsacom.com/paper/5g-standalone-october-2023-summary/


     

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