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2012.05.01

  • 米国

【米国】米国新郵便改革法案上院案が可決

 米国では、上院・下院ともに新郵便改革法案が委員会を通過。2012年4月現在、下院法案(H.R.2309「Postal Reform Act 2011」:共和党ダレル・イッサ議員提出)は、可決にはまだ民主党議員の支持が足りない模様。
 一方、超党派による上院法案(S.1789「21st Century Postal Service Act」:無所属ジョー・リーバーマン議員提出)は2012年4月17日、全会審議を行うことを決定。多くの修正案が出されたため、審議が長引くことが予想されたが、上院民主党院内総務を務めるハリー・リード議員の審議手続上の対策により、4月25日に採決が行われ、賛成票62により可決した。しかし、USPS関係者や下院共和党はこの案を強く批判しており、USPSが郵便施設閉鎖計画の凍結を解くまで(2012年5月15日)に、上下院が郵便改革案で合意する可能性は薄くなっている。
 上院法案は、退職者医療手当基金への納付義務を改正して納付額を引き下げ、納付期間を40年に延長することをはじめ、USPS職員10万人近くに早期退職奨励プランを提供することや、今後2年のコスト削減が目標に達しなかった場合には土曜配達の中止を検討すること、酒類配達などの新たな収入源を開拓すること、年金制度への過払い分を払い戻すこと等を認めている。
(米国上院 HP 2012年4月25日等)

(ひと言)
 米国上院の議事手続きは大変独特で、上院規則は個々の議員に無制約の発言権を認めており、時間制限を課せられないため、審議中の議案に反対する議員は次々に修正案を出して長時間討論することで可決を妨害することができる。上院における議事進行責任者である多数党院内総務は、討論終局の動議を提出することができるが、この採択には総議員の5分の3の賛成が必要となる。そのため、多数党院内総務は「Amendment tree」という一連の修正案を可視化した樹系図として提出する手法(議案を幹、一時修正案を枝、二次修正案(修正案への修正案)を小枝として表現)を用いて対応することが認められている。ただし、修正方法(挿入、削除、挿入及び削除、全文差し替え)それぞれ最大数が決まっているため、合計しても提出できる修正案数は制限される。