お知らせ詳細

欧州業界団体デジタルヨーロッパをはじめとする欧州企業・団体計33者は、11月23日、現在三者協議で審議中の欧州AI法案に対して連名で意見書を公表した。意見書では、EUが世界的なデジタル大国になるためには基盤モデルや汎用人工知能（AI）も活用してAIイノベーションを強化する企業が必要だが、審議中の欧州AI法案は高いコンプライアンス・コストで企業の成長を阻害し得るとした上で、欧州AI法案に対する懸念点として、基盤モデル及び汎用AIに特化した規制の導入と既存の法制度との整合性確保を挙げた。意見で挙げられている具体的な推奨事項は次のとおり。

＊リスクベースアプローチをAI法案の核として残し、技術中立的で高リスクAIに焦点を当てた規制枠組みを維持すること。
＊既に確立されている業界別規制の規律との矛盾や重複を避けるため、包括的な枠組みである「製造物安全一般指令」との整合を図ること。
＊汎用AI及び基盤モデルの規制にはバリューチェーン全体の情報共有・協力・法令遵守支援が必要となることから、企業間の連携や責任の分担の在り方については企業に任せること。
＊既存のEUの包括的な著作権保護・執行枠組みでAI関連の著作権の課題に対処可能であることを踏まえること。