2023.03.07
【EU】欧州委員会、超高速ブロードバンド展開のための三つの新イニシアチブを公表
欧州委員会は2月23日、2030年までにギガビット回線をEU全世帯へ提供する「欧州デジタル化10年」の目標実現に向けて、超高速ブロードバンド展開のため、以下三つの新たなイニシアチブを発表した。
1)ギガビットインフラ法(Gigabit Infrastructure Act)案の採択
消費者の需要増に対応するため、欧州レベルでのギガビット網展開が急務であるとして、費用及び管理上の負担削減、手続きの簡素化を図る。同法は2014年ブロードバンドコスト削減指令の改正版であり、今後欧州議会とEU理事会が審議し、承認された場合、加盟各国へ適用される。
2)ギガビット勧告(Gigabit Recommendation)案の公表
従来のアクセス勧告を改正する内容で、市場支配力を有する事業者への通信網アクセス要件など、全ての事業者による既存インフラへの接続を保証する、各国規制当局のガイドラインとなる。同勧告案は現在、欧州電子通信規制者団体(BEREC)が2か月間にわたるコンサルテーションを実施しており、そのフィードバックを考慮した上でEUが最終案を採択する。
3)欧州のコネクティビティ分野とインフラの将来について意見を募集
急速に変化する技術及び市場の環境と、それが電気通信分野へ及ぼす影響について、全ての関係者から幅広い意見を5月19日まで募集している。欧州委員会は、通信ネットワーク投資コストにおける公平な負担などについて、複雑な問題であると指摘した上で、中立かつオープンなインターネット保護の姿勢を強調している。