科学技術情報通信部は2022年12月23日、5G用途28GHz帯のカバレッジ義務に違反したLG U+とKTの周波数割当取り消し、SKテレコム(SKT)の利用期間短縮の制裁措置の最終決定を下した。モバイルキャリア3社は5G周波数割当条件履行状況点検の結果、28GHz帯についてはカバレッジ義務違反と判断され、前述の制裁措置が発表されていた。各社は2021年末までに1万5,000台の28GHz帯基地局装置の構築が義務付けられていたが、各社の構築実績はその1/10をかろうじて上回る1,500台程度であった。
制裁措置発動により、LG U+とKTの28GHz帯使用は12月23日付で中断。ただし、3社で共同構築中の28GHz帯活用のソウル地下鉄Wi-Fiバックホールについては国民との約束もあり、事業者が責任をもって構築・運営を継続する意思を示したことで、例外措置として、当初の周波数割り当て期限の2023年11月30日まで各社の使用を許可することにした。また、周波数割当取り消しで空く2帯域のうち1帯域で新規参入を進める政府の計画については、さらなる検討を経て2023年1月中に発表されることになった。科学技術情報通信部では28GHz新規参入支援タスクフォースを通じて議論を進めている。なお、SKTについては、2023年5月末までに当初の割当条件の基地局数を構築できた場合は、6月以降の28GHz帯の連続利用が可能となる。
前例のない周波数割当取り消しという大変厳しい決定で、いろいろな方面での影響が避けられない。国が28GHz帯活用目玉事業と位置付けた地下鉄Wi-Fi置き換え事業の今後も不透明である。世界的にも技術力が認められた韓国のキャリア3社が扱いあぐねた28GHz帯でネットワーク事業者として参入企業が果たして現れるのかも疑問視される。さらに、6Gでの世界的主導権を目指す韓国で有力キャリアを28GHz帯から外すことによるマイナスの影響も懸念される。
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