デジタル・文化・メディア・スポーツ省（DCMS）は、5月6日、デジタル市場のための新たな競争促進体制に係る公開諮問（2021年7月に開始）で寄せられた意見を踏まえた政府としての最終方針を発表した。公開諮問に寄せられた意見の大多数は政府提案を支持していたとし、議会のスケジュールを踏まえつつ、改革を実施するための法案を提出する予定であるとしている。新たな競争促進体制の概要は以下のとおり。
＊デジタル市場のための新たな競争促進制度は、実質的で強固な市場支配力を持つ少数の企業を対象とするもの。
＊規制当局が戦略的市場地位（Strategic Market Status）を判定する際、どの会社が適用範囲になるのかについて明確性と確実性を求める意見があったことから、最低売上基準を導入する予定。
＊ある企業が戦略的市場地位ありとの指定を受けると、競争・市場庁の中に設けられた部署（DMU）はその企業がどのように行動することが期待されるかを行動要件として定める。どのような要件とするかは、法律上、要件の柱を規定する予定。
＊DMUは競争促進的な介入をターゲットに対して行うことができるようになる。例えば、相互運用性を支えるような競争促進的な介入は、デジタル市場を根本的に変革する可能性を持っている。
＊DMUには、証拠に基づく確固とした調査の後、救済策を策定し実施するための広範な裁量権を与える。政府としては、DMUに、規制違反に対して全世界の売上高の最大10%までの罰金を科す権限を与え、また、DMUは規制違反を裁判所に申請し、英国で取締役を務める資格を剥奪することもできるようにする。
＊DMUは、情報提供の要請に応じない上級管理職に対して民事罰を科すことができる。なお、DMUの決定については、他の事前規制当局と同様に、審査関連する不服申立基準についての様々な意見を踏まえ、司法審査の原則を適用することとする。
＊戦略的市場地位を持つ企業に対して、合併取引を事前にCMAに報告するための新たな要件を導入する予定。CMAは合併の初期評価を行い、その合併をさらに調査するかどうかを決定することができる。
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