2021年から有望産業として官民を挙げてメタバースに力を入れてきた韓国で、政府横断の「メタバース新産業先導戦略」が1月20日に発表された。コロナ禍克服のDX戦略「デジタルニューディール2.0」に盛り込まれた超連結新産業育成策としてまとめられた初の総合対策となる。韓国ではメタバースを、データ・ネットワーク・AI・XR・デジタルツインといったICTの集約体として業界にパラダイム変化を呼び込むウェブ3.0プラットフォームと位置付けている。2021年には政府の戦略サービス化、多数の企業参入、娯楽・ゲーム分野以外の実生活や産業活動でのメタバース積極活用といった動きが顕著であり、メタバースはブームとなっている。大学入学式や企業研修、講演会、展覧会等のイベントで積極的にメタバースが活用されている。
戦略では、2026年までにグローバル・メタバース市場シェア5位、メタバース提供企業220社育成等の目標を掲げ、24のプロジェクト実施を盛り込んだ。プロジェクト事例として、プラットフォームエコシステム活性化分野では、日常生活や経済活動10分野で新類型のメタバースプラットフォームプロジェクトを実施。五輪やエキスポ等の国際イベントや展示会を現実とハイブリッドさせたメタバースイベントも実施する。プラットフォーム成長基盤整備のため、中核5技術開発を支援し、中長期メタバースR&Dロードマップも策定する方針。戦略を通じ、韓国がグローバル・メタバース先進国として成長できるように関連省庁の緊密な連携を通じ、産業エコシステム活性化、人材育成、専門企業育成、規制革新等の多彩な支援策を着実に履行していく計画である。
また、産業促進面だけでなく今後課題となるメタバースでの利用者保護等を議論する社会的協議体も1月末に立ち上げられた。放送通信委員会が立ち上げた有識者協議体では、アバターの人格権、デジタル所有権問題、デジタル格差解消及びリテラシー強化等のメタバース利用者政策を議論する。
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