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2016.12.02

  • 米国

【米国】AT&T、新たなストリーミング・サービス「DirecTV Now」を開始

 米通信大手AT&Tは11月28日、豊富なチャンネルをブロードバンド経由でCATVよりも安く提供するストリーミングTVサービス「DirecTV Now」を発表した。サービスの提供は30日に開始し、TV番組の生配信はモバイル端末やタブレット、PC、テレビ向けに配信される。同サービスの料金は60チャンネルで月35ドルからとなっており、パッケージにはESPNやTBS、AMC、Disney Channelなどが含まれる。年間契約やケーブルボックスの設置、工事のアポ入れ、加入に際する信用調査はすべて不要で、解約はいつでも可能である。ブロードバンドに加入しているが有料TVサービスには加入していないコードカッターやコードネバーと呼ばれる数百万世帯をターゲットにする。
 
 ただし、「DirecTV Now」には、高視聴率番組を多く抱えるCBSやNFLサンディ・チケットといった有料チャンネルが含まれていないため、NFLの試合やNCAAバスケットボール・トーナメントを視聴することはできない。また、同サービスは同時に2つの端末にしか配信することができず、4K解像度にも未対応となっている。さらに、一部市場では、ABC、Fox、NBCのローカル系列局へのアクセスもできない見込みである。DVR機能への対応は2017年以降となっている。他方、HBOやシネマックスには追加5ドルでそれぞれ加入できる。
 
 ケーブル事業者や衛星事業者の有料TVサービスは月100ドル以上で提供されており、これより大幅に安い料金で提供される「DirecTV Now」は、スリングTVやPlayStation Vueと競合することになる。現在、スリングTVは20ドルで31チャンネルを提供し、PlayStation Vueは30ドルで48チャンネルを提供している。そのほか、単体のHBO Nowは月14.99ドル、CBSは独自のストリーミング・サービスをCMなしの場合は月9.99ドル、CMありの場合は月5.99ドルで提供している。
 
 なお、AT&Tの移動通信サービス加入者には、「DirecTV Now」をモバイル視聴する際のデータ消費量を毎月割り当てられるデータ量に含めないという特典が付与される。ベライゾンやスプリントはこのようなサービスを行っておらず、メディア企業と電気通信事業者の合併に対する反対が強まることも予想されるため、タイム・ワーナー買収を進めるAT&Tにとっては逆風となる可能性もある。