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ICTワールドニュース

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2016.08.02

  • 米国

【米国】ベライゾン、ヤフーのネット事業を約48億ドルで買収

 通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは、7月25日、ヤフーのネット事業を現金48億3,000万ドルで買収すると発表した。ベライゾンが取得する資産には、ヤフーの主力事業であるウェブポータル/広告事業のほか、一部の不動産が含まれる。一方、ヤフーの保有する特許などは含まれず、同社保有のアリババ株やヤフー・ジャパン株も引き続きヤフーが保有することになる。ヤフーは現在、およそ3,000件の特許資産を別途、オークションに掛けており、その収益は10億ドル以上に上ることが見込まれている。ベライゾンに買収されるヤフー事業は、AOL事業と統合される予定で、ベライゾンの商品イノベーション及びニュービジネス担当社長のマルニ・ウォルデン氏の指揮下に入ると見られている。買収はまだヤフー株主の承認が必要で、2017年初め頃の完了が見込まれている。

 今回のオークションには、ベライゾンのほか、AT&T、複数のヘッジファンド、クィッケン・ローンズ操業者のダン・ギルバート氏が中心になったグループなどが入札に参加していた。ベライゾンはモバイル/動画広告を中心とした広告事業の強化を図っており、昨年6月にはAOLを44億ドルで買収。また、自身のモバイル動画アプリ「go90」も立ち上げている。ベライゾンは今回の取引で、ヤフーのファイナンスやスポーツ、ニュースといったサイトから数百万人以上のビジター獲得が見込まれている。さらに、スマートフォン由来のデータをAOL、そして今後はヤフーの広告システムに活用することを望んでおり、フェイスブックやアルファベットのグーグルといったオンライン広告大手と競合することを目論んでいる。

 ただし、eマーケターの試算では、グーグルとフェイスブックは今年の米国デジタル広告市場690億ドルの半分以上を占めており、ヤフーとAOLのシェアを合わせても5%程度に過ぎないのが現状である。