2016.07.12
【EU】欧州委員会、サイバーセキュリティに関する新たな官民パートナーシップを設立
欧州委員会と欧州サイバーセキュリティ事業者団体（European Cyber Security Organization: ECSO）は7月5日、欧州初となるサイバーセキュリティ官民パートナーシップを設立することで合意し署名した。昨年欧州企業の80％以上が何らかのサイバーインシデントの被害を受けており、その件数は世界でも年々急増しているとの調査結果が報告されている。今回の協力体制は、これらのサイバー攻撃対策およびサイバーセキュリティ分野における競争力強化のために、エネルギー、医療、交通、金融など様々な分野のセキュリティソリューションの研究開発について初期段階から協力して取り組むことを目的としている。EUは、これに対して研究開発支援プログラム「ホライゾン2020」の下、4億5,000万ユーロ（約502億円）を投資する計画で、一方ECSOを中心とする民間事業者にはこの3倍の投資額が期待されており、2020年までに総額18億ユーロ規模の投資が見込まれている。
欧州委員会のサイバーセキュリティに関する今後の主な行動計画の内容は以下の通り：
・市場の断片化を防ぐため、ICTセキュリティ関連製品についてEU共通の認証枠組みの導入について検討する。
・ニッチ市場へ進出し、確立した市場に新たなビジネスモデルを導入している多くの革新的な中小企業に対して、経済的支援を実施する。
・間もなく発効するネットワーク・情報セキュリティに関する指令に従い、国境を越えた加盟国間の協力体制の強化を図る。
・欧州ネットワーク情報セキュリティ機関（ENISA）の機能について十分にその役割を果たしているか評価および見直しを実施する。