2016.06.02
【米国】マイクロソフトとフェイスブック、大西洋横断海底ケーブル敷設で協力
マイクロソフトとフェイスブックは、5月26日、米国のバージニアとスペインのビルバオにあるデータハブを結ぶ約6,600kmの海底通信ケーブルを敷設する計画を発表した。
マイクロソフトは同社が提供するクラウドサービスに対する需要拡大に応え、動画戦略に力を入れるフェイスブックは高速回線を確保する狙いがある。今回マイクロソフトとフェイスブックが敷設する海底ケーブル「Marea」は、当初160Tbpsの大容量回線を備え、2017年より運用開始される予定。これは、大西洋を横断する海底ケーブルの中で最高速度となる見込み。運営はスペイン傘下の通信インフラ事業者テルシウスが担当する。
大手テクノロジー企業による海底ケーブル敷設の前例として、2010年にグーグルが米国西海岸と日本の千葉県千倉・三重県志摩をつなぐ海底ケーブル「Unity」に出資した例がある。その他に、グーグルが出資または出資を計画する海底ケーブル敷設事業は5件あり、マイクロソフト4件、フェイスブック2件、アマゾン1件となっている。現在、大西洋を横断する海底ケーブルで伝送されるデータ・トラフィックのうち3分の2は企業のプライベート・ネットワークからのもので、電気通信事業者からのものではない。この割合は、2010年の20%から増加しているが、これはここ5年の間に回線帯域の需要が電気通信事業者から大手コンテンツ・プロバイダに移っていることが大きな理由。このため、コンテンツ・プロバイダが自らインフラ構築に出資することは経済的に理にかなったものといえる。