2025.08.29
【米国】下院可決の税制・予算法案、NALC活動により郵便配達員への脅威条項を全削除
7月3日、下院は党派別218対214の投票で税制・予算法案「H.R.1」を可決した。5月に下院で提出され、上院で修正可決された法案がトランプ大統領の署名のため送付された。
郵便配達員にとって重要なのは、最終法案から郵便配達員、団体交渉権、郵便ネットワークに悪影響を与える条項がすべて削除されたことである。過去2か月の議会審議では、連邦従業員退職制度（FERS）の拠出率を最大15.6％に引き上げる案、年金計算基準変更案、FERS特別年金補足制度廃止案、新規連邦職員への「随意雇用」選択案、USPS用EV車予算回収とEV・関連インフラ売却義務化案など、多くの直接的脅威が提案されていた。
NALC（全米郵便配達員組合）は郵便配達員を標的とするすべての脅威の除去に成功した。法案全体では政府支出削減を謳いながら国境警備等に数十億ドルを充て、トランプ減税を恒久化する一方、メディケイドや学生ローン返済、再生可能エネルギー税控除は制限されている。10年間で3.3兆ドルの赤字増加が見込まれる。