2024.10.07
【スペイン】国有企業管理公社(SEPI)、2024-2028年戦略計画を承認
スペイン・ポストの株式を100%保有する国有企業管理公社(SEPI)の取締役会は、スペイン・ポストの変革、回復、およびリポジショニングを目的とした2024-2028年戦略計画を承認した。
この計画では、スペイン・ポストがユニバーサルサービスの指定事業者として、組織の近代化とサービス品質の向上を図り、伝統的な郵便部門を強化することが掲げられている。また、消費者の新しい嗜好や習慣に適応し、プロセスの自動化と効率化を推進するとともに、国際輸送を促進することも目指している。
さらに、金融サービス、行政手続き、保険販売、冷蔵流通など、事業の多様化を通じて収益を増大させることを狙っている。
加えて、会社のミッション、ビジョン、バリューを見直し、EU競争法における一般経済利益を有するサービス(SGEI)の提供において、より大きな役割を果たすことを期待。スペイン・ポストは、公共的使命を果たす一方で、民間部門と競合する分野での競争力および収益性の向上を目指す。例えば、スペイン・ポストには、金融サービスの提供や、行政のためのワンストップショップとしての役割が期待されている。
この計画の実施により、スペイン・ポストは、今年度末にEBITDAマージン6%、連結黒字、健全な財務状態を達成すると予想されている。
また、年度末までに従来の郵便事業からの収入への依存度が50%未満に低下し、同社の主要なビジネス上の脆弱性が軽減される見込み。その結果、総収益に占める小包配送の比率が11ポイント上昇して35%となり、近年失われた市場シェアの一部を取り戻すとともに、新規事業の強化によって、多角化収益が総収益の16%に増加することが見込まれている。