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2018.08.17

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【EU】欧州司法裁判所法務官、UPSのTNT買収への欧州委員会の差止めを無効とされるべきと示唆

 欧州司法裁判所(Court of Justice of European Union)のジュリアン・ココット法務官は7月25日、欧州委員会(EC)が、2013年にUPSによるTNTエクスプレス買収計画を差止めた事例について、手続き上瑕疵があり、UPSに不利な決定であったとする意見を表明した。
 同法務官は、「司法裁判所はECによる控訴を却下し、一般裁判所の判決を支持(買収差止め決定を取り消す)べきだ」と述べた。
(ECJ 2018年7月25日等)
 
(ひと言)
 2012年3月、UPSはTNTエクスプレス買収を打ち出すが、ECの承認を得られず、2013年1月買収案を放棄した。2015年4月、フェデックスがTNTエクスプレスの買収を発表すると、ECは2016年1月に承認し、同年5月、フェデックスはTNTエクスプレスの買収を完了した。ECは、欧州においても事業規模の大きいUPSが、TNTエクスプレスを買収することで、競争が阻害されることを懸念したため、反対したが、フェデックスは欧州における事業規模がUPSより、はるかに小さいことから、それには当たらないとした。
 UPSは2016年4月6日、ECの判断の取り消しを求める訴えを、欧州連合(EU)の一般裁判所(General Court)に起こした。一般裁判所は判決で、ECが、判断分析において過去の意見交換、弁論で用いたものとは異なる経済モデルを採用したことで、UPSの抗弁権を侵害したと指摘し、ECの決定を無効としたため、ECがこの判断に異議を申し立て、司法裁判所に上訴していたが、ココット法務官は、一般裁判所の判決を支持した。
 法務官の意見は司法裁判所の決定を拘束するものではなく、独立した立場で法的解決の提案をすることが役割である。この審議は現在進行中であり、決裁は後日行われる。