2018.04.09
【米国】USPSのモバイル端末向けサービス「Informed Delivery」
USPSがモバイル端末向けに提供する「Informed Delivery」は、利用者がその日に配達される郵便物のプレビューをデジタル画像で確認し、小包の配達等を管理できるサービス。USPSによると、現在の利用者数は830万人に上る。
2017年より全国提供が始まった同サービスは、無料で提供されており、モバイル端末やタブレットの他に、パソコンからも利用が可能。
同サービス利用者の評価は今のところ高く、最近実施されたアンケート調査では、利用者の95%がこのサービスに「満足している」あるいは「非常に満足している」と回答した。
(USPS News Link 2018年3月6日等)
(ひと言)
このサービスは、私書箱に郵便物が届いたことを通知するプログラムから派生したもので、2014年から試験運用が開始された。郵便物の外観を撮影すること自体は1990年代から始まっており、その画像が犯罪捜査のために提供されることもあった。
2008年頃に、米国ではアースクラス・メール社が、郵便物をデジタル化し、加入者がインターネットでそれらの郵便物を確認できる有料サービスを提供した。同社サービスは、加入者それぞれに新しいあて先住所を割当て、そこに届いた書簡や小包にバーコード添付、サイズ分類した上で外側を画像スキャンし、加入者の電子郵便受けに画像をアップロードする。加入者はそれを見て、同社の担当者に、物理的に開封して中身をスキャン、裁断、リサイクル、保管、転送の指示をすることができるというものだった。この新しいコンセプトは、一時は好評を博し、スイス・ポストもこれを導入した経緯を持つが、郵便物の電子化は予想よりも高額な費用が必要で、需要も伸びず、2015年に破産を申請した。
同様の有料サービスを提供していたZumboxとOutboxは、いずれも2014年に操業を停止している。