2018.02.07
【カナダ】カナダ政府、コミュニティ郵便受箱導入プロジェクトを永久凍結
カナダ政府は2018年1月、郵便配達先を「戸別郵便受箱への配達から、すべて集合郵便受箱であるコミュニティ郵便受箱に切り替えて経費削減を図る」というカナダ・ポストの取り組みを永久に停止すると発表した。
公共サービス・調達大臣は、一時凍結中だったこのプロジェクトを永久凍結し、カナダ人のためのサービスを強化するために、カナダ・ポストを刷新する政府のビジョンを発表した。
すでに郵便配達先がコミュニティ郵便受箱に切り替えられている約84万世帯については、戸口配達を復活させず、コミュニティ郵便受箱への配達が続けられることは決定されているが、カナダ・ポストは今後、コミュニティ郵便受箱の利用が困難な人(高齢者や移動に不自由を伴う人など)が郵便サービスを利用しやすくする仕組みを大幅に拡大する。
さらに、全国の郵便局網を通じて、手頃な料金の送金サービスの利用をカナダ国民に促すといった、新しい方策が発表された。
(Government of Canada 2018年1月24日等)
(ひと言)
カナダ・ポストは2013年に発表した5か年行動計画で、数億ドルの経費削減に向け、書状の配達先を各世帯の戸口から、世帯ごとの区画に仕切られたコミュニティ郵便受箱に変更するプロジェクトを明らかにした。
しかし、このプロジェクトはすぐに問題視され、全国で抗議行動が起きた。そして2015年、新たに発足した自由党政権は、カナダ・ポストの将来について徹底的な見直しを行う間、このプロジェクトを一時凍結することとしていた。