2017.06.12
【シンガポール】シンガポール・ポスト、2016-17年度通期は米子会社の業績悪化で減益
シンガポール・ポストが2016-17年度(2016年4月1日~2017年3月31日)の通期決算を発表した。
この期間の売り上げは17.1%増の13億5,000万シンガポール・ドルだったが、純利益は1億5,360万シンガポール・ドルから1億1,560万シンガポール・ドルに減少。この減益の理由として、同社は「米子会社トレードグローバル(TradeGlobal)の営業損益赤字」「関連会社の貢献の低下」「地域Eコマース物流基盤(地域Eコマース物流基地など)構築計画への投資」「郵便事業利益の継続的減少」を挙げた。
1億8,500万シンガポール・ドルの減損損失を出したトレードグローバルは、経営上の課題として、「最近のピーク期の人件費高騰」「倉庫の自動化の遅れによる生産性への影響」「経営陣の交代」を挙げた。また、「米国のファッション小売業界の混乱」「収益の30~40%を占めていた大口顧客2社の喪失」という構造上の重要な問題も抱えているという。
(Singapore Post 2017年5月12日等)
(ひと言)
2015年にシンガポール・ポストは国際的なEコマース物流業界に参入するため、複数の投資を行った。米国で、ファッション・美容・ライフスタイルのブランド向けにエンドツーエンドのEコマース・ソリューションを提供するトレードグローバルの買収もその一つ。
その直前に同じく米国のEコマース・ソフトウェアとサプライチェーン・サービスを提供するジャギド・ピーク社(Jagged Peak)も買収している。
シンガポール・ポストは、両社買収の重要性を考慮して買収先統合に向けた新経営構造を行っており、結果的に売り上げ増も、この統合効果によるものだったと説明している。