2017.04.14
欧州一般裁判所、UPSのTNTエクスプレスの買収を阻止した2013年の欧州委員会決定を無効と判断
欧州一般裁判所は3月7日、EUが4年前にUPSのTNTエクスプレスの買収を阻止したのは誤りだったというUPSの主張を認め、手続き上の瑕疵を理由にEUの決定を無効とする判決を下した。
裁判所は今回の判決で、欧州委員会が、その分析の際、過去のミーティングや弁論で用いたのとは異なる経済モデルを採用したことで、UPSの抗弁権を侵害したと指摘。委員会が採用する経済モデルについて、UPSが事前に知っていたならば、もっと良い弁護ができていただろうとしている。
（General Court of the European Union 2017年3月7日等）
（ひと言）
UPSは2012年当時、52億ユーロでTNTエクスプレスを買収する計画を進めていたが、欧州委員会は2013年、買収が消費者を害するという懸念を緩和するに足る譲歩をUPSが見せなかったとして、これを阻止。TNTエクスプレスはその後、FedExが44億ユーロで買収。欧州委員会も2016年、この買収を承認した。
UPSの広報は、今回の判決に満足を表明した。なお、欧州委員会は 欧州司法裁判所へ控訴することができる。