2017.02.27
アリババ傘下のアント・ファイナンシャル・グループ、米国送金サービス会社のマネーグラム買収へ
中国Eコマース大手、アリババ・グループ・ホールディング傘下で中国のオンライン決済市場を支配するアント・ファイナンシャル・グループは2017年1月、米国の送金サービス会社「マネーグラム・インターナショナル」を約8億8000万ドルで買収すると発表した。
同社は、マネーグラム株を1月25日の終値に11.5％を上乗せした1株13ドル25セントで取得する。
買収には、外国資本による米国内資産買収を安全保障上の観点から審査する「対米外国投資委員会 (CFIUS) 」の承認が必要となる見込みだが、中国資本の米国企業買収は、これまで何度かCFIUSによって阻止されている。
（MoneyGram 2017年1月26日等）
（ひと言）
マネーグラムは、競合するウェスタン・ユニオンとともに長く送金サービス市場を支配してきた。そのサービス窓口は、世界200か国・地域の約35万か所に及ぶ。最近では、安価に利用できるオンライン決済サービスとの競争にさらされているものの、ブランド認知度は高く、大規模なサービス窓口ネットワークとアントのテクノロジーが組み合わされることで、市場競争の構図が大きく変わることも予想される。
中国で、テンセント・ホールディングスのWechatが提供する決済サービス「Wechat Payment」との競争が激化しているアントは、この買収により、国外にも大幅に勢力を拡大することになる。