2016.09.08
IGレポート:ロジスティクス市場の発展とUSPS
USPS監察長官 (IG) は8月15日に発表した白書で、Amazonなどが小包配達、ロジスティクス事業を拡大する中、USPSがこのような配送市場の新しい展開に追いつけなくなることを懸念している。
USPSはこれまでラストマイル部の配達で利益を上げており、UPS、FedExの荷物配達も代行してきたが、Amazon、Uber、グーグルなどがこの分野の競争相手として力をつけてくると、全国に展開する配達網や大量の荷物を引き受けることで生まれる利点は薄まる。従来のビジネスモデルは、大量の荷物を配達することでコストを下げるという規模の経済で成り立っているが、新しい技術、事業者の登場で操業範囲や資産が限られた小規模事業者でも既存の配送事業者と競合できるようになっており、既存のビジネスを破壊する力も秘めているとIGは指摘している。
USPSは経費の嵩むルーラル地域や郊外の配達を主軸とせざるを得なくなる可能性もあり、IGは、ラストマイル部の配達だけに頼ることでは、電子商取引分野の荷物量増加や競争の激化への対策としては不十分としている。
(IG 2016年8月15日等)
(ひと言)
USPSは元々ロジスティクス・サービス事業者ではないが、IG報告はロジスティクスを「商品、サービス、情報の輸送・保管・集配と関連する手続きやシステム」と定義。USPSの主要事業の一環となり得るとしている。