2012.11.08
【米国】財務省からの借入金が限度額に達したUSPS
USPSは2012年9月、財務省からの借入金が初めて150億ドルに達し、切手、配送その他サービスの売上だけで巨額の運営経費を賄わねばならない事態となっている。
USPSは10月15日に労災保険料14億ドルは支払ったものの、9月末までが納付期限であった将来退職者医療手当基金への56億ドルについては債務不履行。既に8月1日にも将来退職者医療手当基金への55億ドル（前年度分の納付期限が延期されたもの）の支払いも果たしていない。
（NALC 2012年10月18日等）
（ひと言）
USPSは、郵便法（第2005条）により、義務を遂行するため、年間最高30億ドルまで財務省からの借入れと債券発行が認められているが、借入総額の上限は150億ドル。
USPSの持つ流動資産が限られていることから、借入金限度に達したことは運営の柔軟性を欠く深刻な状況であり、議会が包括的な郵便改革法案を可決しない限り、今後も現金不足が続くと予想している。