2026.09.08
【EU】EU独自の通信衛星コンステレーション「IRIS2」が本格配備へ前進、2029年に第1弾打ち上げ目指す
欧州委員会は8月7日、SpaceRISEコンソーシアムとの間でEU通信衛星コンステレーション計画「IRIS2」の実施協定を締結し、プロジェクトを計画段階から本格配備フェーズへと前進させたと公表した。同プロジェクトは、SES、Eutelsat及びHispaSatからなるSpaceRISEコンソーシアムと、欧州委員会による官民パートナーシップ方式で推進され、Airbus、Thales Alenia Space及びOHBなどの欧州宇宙関連企業が参画する。今回の実施協定により、66基の低軌道衛星が新たに追加されたことで、プロジェクトを構成する通信衛星の総数は348基(低軌道330基、中軌道18基)へと拡大した。第1弾の打ち上げは、2029年に予定されており、同年以降、段階的に接続サービスを開始させるとしている。地政学的リスクや防衛需要の高まりを受け、欧州委員会はIRIS2の能力増強を図っており、新たに66基の高‐低軌道衛星からなる専用層を追加。防衛、安全保障、緊急サービスにおける通信能力を拡充させ、政府機関向けはEU域内で60%、世界規模で54%向上させるとしている。一方で、同プロジェクトは迅速な展開と能力増強に伴って資金調達の必要に迫られており、コンソーシアムの一角を担うHispaSatによると、総額は156億EURまで拡大(SpaceRISE選定時は106億EUR)。内訳としては、欧州委員会と欧州宇宙機関(ESA)が116億EURをEU予算から拠出し、SpaceRISEが最大40億EURを負担する予定である。