EU理事会は3月13日、欧州議会は3月26日にそれぞれ、昨年11月に提案されたデジタル関連規則の簡素化を目的とする包括的改正案「デジタルオムニバス」の一部を構成するEU「AI法」改正案について立場を採択した。改正案は今後、三者協議に入る。EU理事会は、改正案に対して、安全性担保に向けた規制強化を含むいくつかの修正を追加しており、主な内容は以下の通りである。
- 同意のない性的コンテンツ及び児童性的虐待資料の生成に係るAI利用を禁止する新たな条項の追加。
- 高リスクAIシステムに係る規律の適用開始時期の明確化(スタンドアロン型の高リスクAIシステムは2027年12月2日、組み込み型の高リスクAIシステムは2028年8月2日)。
- AI規制サンドボックスの期限を2027年12月2日まで延期。
- 簡素化が提案されていた高リスクAIのEUデータベース登録義務の復活。
- 汎用AI(GPAI)の監督に関するAI事務局の権限明確化。
- 欧州委員会に対し、分野別調和法令の対象となる高リスクAIシステムの事業者によるコンプライアンス要件の負担を最小限にするためのガイドライン作成義務を追加。
欧州議会も、企業の法令順守に向けたガイドラインや標準の整備状況の遅れを考慮し、高リスクAIシステムに対する一部規律の適用開始を延期することに合意。大筋はEU理事会による修正案と同様だが、AI生成コンテンツの電子透かし義務化の開始を2026年11月2日まで延期することが提案されている。