電子通信・郵便・出版流通規制機関(ARCEP)は2025年6月に行った電子通信機器・サービス利用状況に関するアンケート調査結果(回答者は12歳以上の約4,500名)を発表した。今回の調査では、(生成)AI使用の有無が質問の中心であった。
- 生成AI利用者は全体の48%(前年比15ポイント増)。特に利用割合の高いのは10代後半から20代前半(48%)と管理職(78%)。
- 生成AIの主な用途は情報収集(76%)、文章作成あるいは翻訳(58%)、アイディア創出(57%)。
- 生成AIから得る情報には信頼性が薄いという回答者は52%(前年比5ポイント減)で、生成AIを利用しない理由の30%を占めている。
- AIサービスの環境への影響については、42%が利用サービスの中心が検索エンジンであった時よりもエネルギー消費量が増えると予測している。
その他の主な項目について、回答結果は以下のようなものであった。
- スマートフォン普及率は91%に達し、端末の61%は5G対応である(前年比13ポイント増)。
- インターネット利用者の90%がSNSあるいは動画共有サービスに加入、毎日アクセスする割合は1/3(25歳以下では52%)。SNS利用者の42%は、SNSはインターネット利用者の社会性向上に有益であるとしているが、一方で40%がSNSは人々の間のつながりの質を低下させるとしている。
なお、ARCEP委員長は2026年2月4日の新聞インタビューで、巨大プラットフォーマーの提供するSNSやメッセージングサービスへの依存や情報の流通が正確さよりも人気に左右される傾向への懸念を表明した。委員長は少数のプラットフォーマーが垂直的に複数のサービスを提供、利用者を囲い込んでいる状況は、社会の価値観や表現の多様性を侵害するものだとし、EU「デジタル市場法」「デジタルサービス法」の適用条件を強化してプラットフォーマーに複数のSNSサービスの脱グループ化を義務付けるべきであると主張している。委員長は、この措置が欧州各国で独自のSNSサービスの発展を助長するとともに、インターネット利用者に選択の機会を与え、多くのサービスの比較検討により、アテンションエコノミーの陥穽に陥る危険の軽減が期待できるとしている。
フランス・市場に関する詳しい情報はこちらへ