日本の衆議院に当たる仏国民議会は、「インターネット画面・SNSで有害あるいは年齢的に不適切な情報からの若年層保護法案」を可決した。この法案は2025年に元老院(日本の参議院に当たる)で提案された。その主旨は自治体や教育機関が未成年をネット上の有害情報への暴露から保護するというものであるが、特に社会的影響が大きいとされるのは、15歳未満の児童生徒にオンラインプラットフォーマーの提供するSNSサービスへのアクセスを禁じるという規定である。ただし、学習目的での事典類、科学研究、ソフトウェア開発・共有にかかわるサービスへのアクセスは例外とされる。
プラットフォーマーへの規制は、電子通信・郵便・出版流通規制機関(ARCEP)が所掌する。仏国外の事業者でも、EU内に拠点を持つプラットフォーマーが国内で15歳未満へのSNSアクセスを許容した場合、ARCEPはEU「デジタルサービス法」抵触の疑いありとして、加盟各国の通信規制機関への通知を実施する。この法案ではまた、未成年が過度に商業目的のコンテンツに触れることを避ける目的から、未成年限定のSNS上で心身の健康への悪影響が疑われる商品の広告を掲載しないこととされている。国民議会での審議により、法案には未成年にSNSへのアクセスを促す内容の広告の禁止規定も追加された。例えばインフルエンサー等が成人向けのコンテンツをオンライン上で公開する際には「15歳未満の視聴は危険」という旨の表示が義務付けられる。
一方、元老院での提案時には、高校生の校内での携帯端末使用は全面禁止とされていたが、国民議会での審議により、これは学校ごとに使用可能な場所や時間を定めるというものになった。この規定は2026~2027年に発効する予定である。このほか、当初の法案から削られた条項には、学校、広告事業者等への若年層のSNSアクセス防止義務やネット依存的環境に未成年者を置いた両親への罰則適用等がある。
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