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ICTワールドニュース

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研究員が日々収集・作成する情報の中から、現在日本での関心度が高いと考えられる、米・欧・アジアをはじめとした世界の主要なICT関連ニュースをセレクトして定期的にホームページに掲載していきます。

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2025.09.26

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  • EU

【EU】「データ法」の適用が開始

  9月12日、2023年11月に欧州議会で採択された「データ法(Data Act)」の適用が開始した。同法は、一般の消費者あるいはビジネスユーザが自身の所有するコネクテッドデバイスから生成される生データへのアクセス、またそれを利活用、共有する権利を認めるもので、データ共有の信頼性保証の枠組みを定めた「データガバナンス法(Data Governance Act)」の補完と位置付けられる。「データ法」は加盟国での国内法制化を経ずに直接適用される「規則」であり、以下を可能にすることが目的である。
 
  • EU市場のコネクテッドデバイスがデータ共有を可能にするデザインのものであることを保証する。
  • 消費者が機器の修理やメンテナンスに際して、よりコストの低い業者を選ぶあるいは自身で作業を行うことができる。
  • 手工業や農業等、特定の産業に従事するユーザが作業の効率化の目的で、産業機器の性能に関するデータにアクセスすることができる。
  • クラウドサービスのユーザが自由にプロバイダを替えるあるいは複数のプロバイダのサービスを並行的に用いることができる。
  • データ共有を阻止する不正な条件での契約を阻止する。
データ法の採択時、欧州議会は同法の適用事例として、AI等の新たなサービス開発への大容量データ提供、IoT機器販売後のアフターサービスや修理費用の引き下げ、緊急時の公的機関による民間事セクターが保有するデータへのアクセス・使用等を挙げている。欧州委員会は今後ヘルプデスク設置、取引上の秘密保持が要されるケースに関するガイダンス、クラウド契約におけるデータ共有条件容易化のためのモデル文書の作成等、同法適用の実装ツールを提供するほか、EU内のデータ活用の円滑化を図る新たな戦略を策定するとしている。