2025.06.30
【EU】欧州委員会、SESとインテルサットの合併を無条件で承認
欧州委員会はルクセンブルクに本拠を持つ衛星ネットワーク運用会社SESによる米インテルサットの吸収合併を無条件で承認すると発表した。欧州委員会は4月29日の通知以来、欧州市場での競争関係という観点から合併計画を精査してきたが、EEA内での競争環境への悪影響は考えにくいという結論を下した。両社は合計で100基の静止衛星と26の中軌道衛星を所有・運用しており、放送向けの「One Way」サービスと、各種産業で双方向的に利用される「Two Way」サービスを世界各地で展開している。2026年末までには、新たに8基の静止衛星と7基の中軌道衛星を打ち上げる予定である。両社は、今回の合併の目的はサービスカバレッジとネットワークのレジリエンスの強化であり、新興の低軌道衛星運用事業者に対する競争力をつけるためでもあると述べている。4月に提出された計画では、SESは2025年後半にインテルサットの資産の100%を28億EURで取得するとされている。インテルサットの発表では、今回の合併計画については、経営陣すべて及び株主の大部分(株式73%分)の賛同を得ているという。なお、この合併については欧州内の報道機関でも大きなトピックとされており、早期の承認は本拠を米国に置き、世界市場への進出が著しいStarlink社への対抗措置であるという見解も紹介されている。