欧州委員会は4月9日、EUが人工知能(AI)の分野で世界的リーダーとなることを目標とする「AI大陸行動計画」を発表した。同計画は、欧州の伝統的産業と優れた人材プールを、AIのイノベーションと促進における強力な原動力へと変化させることを目指すものとなっている。五つの柱で構成されており、具体的な内容は以下の通り。
- 大規模AIデータ及びコンピューティングインフラの構築:AIファクトリーのネットワーク構築による基盤強化、AIギガファクトリーの設置と投資、「クラウド及びAI開発法」の提案等。
- 大規模で高品質なデータへのアクセスの拡大:大規模・高品質なデータをAIファクトリーに収集するデータラボの設立、真の域内データ市場を創出するための「データユニオン戦略」の提案等。
- EUの戦略的部門におけるアルゴリズム開発とAI導入の促進:公共部門及び民間部門へのAIの導入を促進する「AI活用戦略」の提案等。
- AIスキルと人材の強化:高度なAI専門家や研究者の国際的な採用促進等。
- 規制の簡素化:企業によるAI規則の順守を支援する「AI規則サービスデスク」の設置等。
今後は、「クラウド及びAI開発法」及び「AI活用戦略」に係る二つの公開諮問が6月4日まで、科学分野におけるAI戦略に係る公開諮問が6月5日まで実施される。さらに、5月には「データユニオン戦略」に係る三つ目の公開諮問が実施される予定である。