世界最大の半導体受託製造企業である台湾積体電路製造(TSMC)は3月3日、アリゾナ州の先端半導体製造事業に1,000億ドルを追加投資することを発表した。ホワイトハウスによれば、米国最大の外国直接投資となる。TSMCは投資総額650億ドルでアリゾナ州に三つの半導体製造工場を建設する計画を進めているが、今回の発表は同計画とは別に1,000億ドルを投じて、新たに三つの製造工場、二つのパッケージング施設、一つの研究開発センターを建設するもの。追加投資のスケジュールは明らかにされていないが、今後4年間で建設分野における4万人の雇用創出が見込まれる。また、TSMCの米国事業拡大は半導体生産のアジア依存を減らし、国家安全保障上のリスクを低減することが期待されるほか、NVIDIAやAMD、クアルコムといった米企業の供給網安定化にも寄与する。一方、台湾政府は、TSMCの海外投資について台湾の競争力向上に資するものと評価しつつ、法的審査を実施する方針を示した。台湾総統府の報道官は、最先端の製造プロセスは台湾に残ると強調している。
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