2024年の大統領選に勝利したトランプ氏は、2024年7月に共和党全国委員会が採択した政策綱領に基づいて各種施策を進めていくと考えられる。なお、その中では、バイデン大統領が2023年10月に発令したAIに関する大統領令を廃止すると表明されている等、トランプ次期大統領による新政権ではAI政策も大きく変化すると予想される。バイデン大統領が発した大統領令は、AI開発に対する広範な監視を定めているが、その一環として米国AI安全研究所(AISI)を設立。AIのトレーニング手法やセキュリティ対策の報告を企業に義務付け、米国立標準技術研究所(NIST)にAIモデルの欠陥修正に関するガイドラインの作成を指示していた。しかし、Arstechnicaによれば、共和党内にはこれらの措置に対する批判的な意見が多く、ナンシー・メイス下院議員は報告要件がイノベーションの妨げになる可能性があると指摘し、テッド・クルーズ上院議員もNISTのAI安全基準を「言論管理」と批判している。そのため、バイデン政権発のAI規制が、トランプ政権下でも存続するかは不透明であり、AISIも存続が危ぶまれるという。
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