カリフォルニア州議会は8月29日、「最先端AIシステムのための安全で安心なイノベーション法案(SB-1047)」を賛成多数で可決した。ギャビン・ニューサム州知事は9月30日までに承認または拒否権を行使する。同法案は、大手AI企業に対して、AIシステムを一般提供する前に安全性テストを実施することを義務付けるもの。また、AI技術が死傷や物損などの深刻な危害をもたらした場合、当該技術の開発者を提訴する権限を州司法長官に与える。EUでは2024年5月にAIの開発や運用を包括的に規制する「AI法」が採択され、2026年中に全面適用が開始される予定だが、米国ではAI技術の使用を制限する法律は制定されていない。カリフォルニア州法案が成立すれば、同州がAI規制に一つの基準を提示することになる。なお、多くのテクノロジー企業はニューサム州知事に拒否権の発動を求めており、アルファベット、メタ、オープンAI等は同法案が成立すればAI産業がカリフォルニア州から転出する可能性があると警告している。
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