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欧州議会は、7月18日、欧州委員会フォン・デア・ライエン委員長（現職）の2期目となる続投を承認した。任期は5年（2029年迄）。フォン・デア・ライエン委員長は、401の賛成票を獲得し、再選に必要な360票を上回った。フォン・デア・ライエン委員長は今後、加盟国首脳に対し、欧州委員候補者の推薦を要請する。夏以降に欧州議会で候補者の公聴会を開催し、欧州委員会全体として欧州議会の承認を受けた後、欧州理事会から正式に任命を受ける。

フォン・デア・ライエン委員長は、7月18日、欧州議会での信任投票に先立ち、2024-2029年期（次期政権期）の政治的優先課題を提示し、デジタル分野では、デジタル技術主導の競争力強化やオンラインにおける青少年保護等を最優先課題として掲げた。デジタル技術主導の競争力強化については、現政権で成立させた「デジタルサービス法」や「デジタル市場法」をはじめとする法制度の執行強化、AIについて①AIファクトリー構想を通じたスタートアップ企業・産業界のスーパーコンピュータへのアクセス確保、②AIアプリケーション促進のためのAI戦略の策定及び③AI研究評議会の創設、また、AIやその他のフロンティア技術の開発支援のためのデータの大規模共有を簡素化・明確化する法的枠組み確保を目指す「欧州データ連合戦略」の策定等を掲げた。オンラインにおける青少年保護については、ソーシャルメディアが青少年の健康に与える影響についてのEU全域での調査実施、中毒性のあるオンラインサービスのデザインへの対処、ネットいじめに対抗するためのアクションプランの策定等を行うとした。

そのほか、デジタル技術への投資については、AI、宇宙、バイオテクノロジー等の戦略的技術を対象とした新たな競争力強化基金の創設、欧州研究会議（ERC）や欧州イノベーション会議（EIC）の拡大等、新技術を視野に入れた研究支出の増加やEU企業の資本へのアクセスを改善するための一連の措置を提案した。また、欧州の防衛・安全保障について、ハイブリッド攻撃を念頭においたサイバー防御の強化、民主主義の保護について、外国からの情報操作・干渉工作対策を含む「欧州民主主義の盾」を提案した。