2024.07.16
【EU】EU次期政権の欧州委員長等が欧州理事会により指名、2024-2029年期の戦略的アジェンダも採択
欧州理事会は、6月27日、EU次期政権の欧州委員長、欧州理事会議長及び欧州議会議長を指名し、2024-2029年期の戦略的アジェンダ及び主要政策事項に係る結論を採択した。欧州理事会の議長にはポルトガルのアントニオ・コスタ前首相が選出され、欧州委員長として現職のウルズラ・フォン・デア・ライエン氏が、外務・安全保障政策上級代表としてエストニアのカヤ・カラス首相が提案された。欧州理事会の提案を受け、今後、欧州議会が欧州委員長を選出する。その後、上級代表については欧州委員長の合意を得た上で、欧州議会が、欧州委員長、上級代表及び他の欧州委員を一括で承認し、欧州理事会が任命する。
欧州理事会はまた、2024-2029年期の戦略的アジェンダを採択。同アジェンダは「自由で民主的な欧州」、「強固で安全な欧州」及び「繁栄する競争力のある欧州」の三つの柱に基づくものとなっている。加えて、欧州理事会は、主要政策事項に係る結論も採択した。競争分野については競争イニシアチブの進捗状況を確認し、EU理事会及び欧州委員会に対して統合された市場を創出するための措置を加速させるよう要請しつつ、将来の課題に対処するために必要な民間投資を動員するための資本市場統合の重要性を改めて強調した。また、ハイブリッド脅威の分野については、偽情報、第三国からの干渉や操作、サイバー攻撃等、EU、加盟国及びパートナーを標的にしたあらゆる種類のハイブリッド活動を非難し、EU理事会に対して、ロシアによる海外での情勢不安定化を目的とする行動に対処するための新たな制裁体制を確立するよう求めた。