2024.07.05
【EU】欧州委員会、Teamsに係る競争法違反についてマイクロソフトに異議告知書を送付
欧州委員会は、6月25日、マイクロソフトに対し、同社が競争法違反に違反しているとする異議告知書を送付した。欧州委員会が2023年7月から調査を開始していた本事案は、マイクロソフトがTeamsとオフィススイートを抱き合わせ販売することで、企業向けのSaaS生産性アプリケーション市場において支配的地位を乱用し、競争を制限しているという予備的見解を示すもの。
欧州委員会は、少なくとも2019年4月以降、マイクロソフトがTeamsとSaaS生産性アプリケーションを抱き合わせ販売していたことから、通信連携製品市場における競争を制限し、生産性ソフトウェア及びスイートビジネスにおける市場支配的な地位を守っていた疑いがあるとしている。特に、マイクロソフトがSaaS生産性アプリケーションの契約時にTeamsにアクセスするかどうかの選択肢を顧客に与えていなかったこと、また、Teamsの競争相手との間で相互互換性の優位性に差があったことから、Teamsに流通上の優位性を認めていた可能性があるとしている。
なお、欧州委員会の調査開始後、2023年8月からマイクロソフトはTeamsをパッケージに含まないスイートという選択肢も提供したが、欧州委員会は、この変更は競争上の懸念を解消するには不十分であり、競争環境の回復のためには更なる対応が必要としている。今回の異議告知書は予備的な見解を示すもので、今後、正式な調査が行われる。