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ICTワールドニュース

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2024.06.13

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  • 英国

【英国】「デジタル市場・競争・消費者法」が成立

「デジタル市場・競争・消費者法(Digital Markets, Competition and Consumers Act)」が5月24日、国王の裁可を得て成立した。昨年4月に法案が発表され、施行は本年秋を予定している。同法は、巨大IT企業に対する新たな規制体制を導入するもので、競争市場庁(CMA)は、消費者保護、特にオンライン活動に関する執行権限が大幅に拡大するとともに、合併の審査や行為調査に関してより広範な権限を持つ。その他の主な内容は以下のとおり。

1)デジタル市場
*CMA内のデジタル市場ユニット(DMU)に戦略的市場地位(SMS)を有する企業を指定する権限が付与される。SMSは、少なくとも一つのデジタル活動における「実質的かつ定着した市場支配力」を意味する。該当する企業は、世界での売上高が250億ポンド(約4兆9,500億円)以上、または英国での売上高が10億ポンド以上となる。
*企業がSMSを有する場合、DMUは規則や行動規範を定めるために介入できる。例えば、DMUは企業に対して顧客に多くの選択肢と透明性を提供するよう指示ができる。従わない場合、企業は世界売上高の10%の罰金を課せられる可能性がある。
2)競争
*CMAはオープンで自由な市場を引き続き保護・促進することができる。企業がイノベーションを起こし、より多くの製品を市場に投入し、顧客により多くの選択肢を提供することを奨励するものであり、その結果、経済拡大のための強固な基盤が構築される。
3)消費者保護
*サブスクリプション契約に関し、企業は、消費者が製品やサービスを購入する前に契約内容を理解できるよう、明確に図示した情報を提供しなければならない。無料トライアルや低価格オファーの終了前には、顧客に注意喚起の通知を行い、わかりやすい方法でサブスクリプション契約を終了できるようにしなければならない。
*消費者が商品やサービスの初期価格を提示された後、購入プロセスの後半で追加料金が発生する「ドリップ・プライシング(Drip Pricing)」という事例が散見されるが、企業は購入手続きの最初に隠れた料金を強調表示しなければならない。
*偽の消費者レビューの投稿や、委託あるいはインセンティブを受けたことを隠すようなレビューの掲載は禁止される。
政府は、同法は新たな権利、強力な法執行、多くの競争をもたらし、これにより消費者は10年間で97億ポンドの節約ができると予想している。

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