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欧州委員会は、9月27日、最初の「デジタルの10年」に係る年次報告書を発表した。同報告書は、投資ギャップに対処し、欧州のDX化を進め、2030年を見据えた欧州「デジタルの10年」の政策プログラムの目標を達成するために、加盟国に対して行動を促すもので、初回の年次報告書となる。報告書の主な内容は次のとおり。

＊ネットワークカバレッジ：現時点で、欧州の光ネットワークの世帯への到達率は56％、5Gのカバレッジ率は人口の81％で農村部では人口の51％に留まる。欧州全域でギガビット接続を確保するには、2,000億ユーロの追加投資が必要という見込み。
＊企業のデジタル化：追加投資がなければ、2030年までにクラウドを活用する企業は66％、ビッグデータを活用する企業は34％、AIを活用する企業は20％に留まる見込み。EUの中小企業のうち、デジタル技術の導入が基本的なレベルに達しているのは69%のみとなっており、加盟国間で進捗にばらつきもあり不十分な水準。また、欧州のユニコーン企業はこの10年で大幅に増えているが、依然として米国や中国の後塵に排している。
＊デジタルスキル：現状では、2030年までに基本的なデジタルスキルを習得できるのは人口の59％に留まり、ICT専門家の数は1,200万人に満たない可能性がある。加盟国は、質の高い教育と技能への投資を優先し、女性の「科学、技術、工学、数学（STEM）」への参加を幼少期から促進する必要がある。

同報告書には、進展が不十分な分野における行動、措置、政策に関する勧告が含まれており、加盟国は、10月9日までに策定が義務付けられている国別ロードマップの中で、目標を達成のために採る行動を示す必要がある。