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ICTワールドニュース

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2023.09.26

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【EU】欧州委員会委員長、一般教書演説にてAI規制に言及

フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長が、9月13日、欧州議会で一般教書演説(State of the Union Address)を行った。演説のタイトルは「歴史的な要請(Answering the Call of the History)」となっており、現体制下での成果を強調し、引き続き取り組むべき施策を分野毎に述べた。分野として言及されたのは、欧州グリーンディール、経済・社会及び競争力、デジタル及びAI、グローバル・移民及び安全保障並びにウクライナ。

デジタル及びAIに関しては、デジタル世界のリスク管理をEUが主導していることを成果として挙げ、偽情報、有害コンテンツの拡散、データプライバシーへのリスク等の深刻な課題に対して、「欧州デジタルサービス法(DSA)」や「欧州デジタルマーケット法(DMA)」により安全なデジタル空間を構築することで、市民権の先駆者となり、大手テック企業に対して明確な責任を課すことで公平性を確保しているとした。

その上で、AIについても同様の対応が必要だとし、AIが利用しやすく、強力で、軍民両用の汎用的な技術であり、開発者が予期していなかった速さで進歩している中で、欧州はパートナー諸国とともに、ガードレール、ガバナンス及びイノベーション誘導の三つの柱を基礎としてAIのためのグローバルな枠組みを率いていくべきだと述べた。

ガードレールについては、人間中心の信頼・責任ある方法でのAI開発を確保することが最優先事項だとし、現在、三者協議中のAI法案の早期採択を促した。ガバナンスについては、グローバルアプローチが必要だとし、G7広島AIプロセスをはじめとする様々な取組に基づき迅速でグローバルな協調した対応を発展させるべきとした。イノベーション誘導については、新たなイニシアチブとして、欧州の高性能コンピュータをAIスタートアップが自社のモデルの訓練に使用できるようにすることを公表した。また、AIの開発・実装を行う主体との開かれた対話が必要だとし、大手企業に対してAI法案が施行される前のタイミングからAI法案の原則に自主的にコミットしてもらうよう対話を行うとした。