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欧州委員会は、7月11日、ウェブ4.0及び仮想世界に関する新戦略を公表した。本戦略により次の技術変革を主導し、EU市民、ビジネス及び行政に対して、オープンで安全性・信頼性・公平性のある包括的なデジタル環境を確保する。本戦略は、ウェブ4.0と仮想世界が、EUの価値観と原則を反映し、人権が完全に適用され、欧州ビジネスが繁栄できるものになることを目指す。具体的には、デジタルの10年プログラムの2030年目標を反映したものとなっており、三つの主要な柱として、スキル・ビジネス・行政の各分野の戦略が定められているほか、欧州委員会のコネクティビティパッケージで対処されているインフラストラクチャーを四つ目の柱として位置づけている。また本戦略では、仮想世界とウェブ4.0のオープンネスとグローバルガバナンスについても取り上げている。主な内容は次のとおり。

１．スキル：スキル強化により、人々の意識を高め、信頼性のある情報へのアクセスと仮想世界の専門家としての才能を育成する。欧州委員会は、2023年末までに仮想世界向けの指導原則を促進し、2024年第一四半期までに一般向けのガイダンスを策定する。また、加盟国と連携をして人材パイプラインを設立し、スキル開発を支援する。
２．ビジネス：欧州ウェブ4.0産業エコシステムを支援する。2025年を目途にホライズンヨーロッパの下で、研究を促進し、仮想世界のための産業・技術ロードマップを策定するためのパートナーシップの候補を募集する。EUのクリエーターやメディア企業を支援し、加盟国とともにウェブ4.0及び仮想世界のための規制のサンドボックスを構築する。
３．行政：社会の進歩と仮想公共サービスを支援する。新たな旗艦プログラムとして、都市開発管理に使用可能な没入型都市環境「CitiVerse」及び人体を複製し診断・治療を支援する欧州バーチャルヒューマンツインを開始する。
４．オープンで相互運用可能な仮想世界及びウェブ4.0の世界標準を形成し、仮想世界とウェブ4.0が少数の大企業に支配されないことを確保する。