2023.04.26
【EU】欧州委員会、ビジネス環境のデジタル化を促進する欧州会社法指令の改定案を採択
欧州委員会は、3月29日、企業のデジタルツール・手続の利用を促進しEU域内のビジネス環境を向上させるために、既存の欧州会社法指令を改定する指令案を採択した。企業をデジタルの発展や新たな課題に適合させ、単一市場内での成長と競争を促すことを狙いとしている。本指令案は、国境をまたぐ企業運営を促進し、EUレベルで企業情報を公にすることでビジネス上の透明性と信頼性を向上させるほか、国境をまたぐビジネスに係る役所手続を削減することで年間約3,700万ユーロの事務負担軽減に繋げる。役所手続の削減と事務負担軽減に関する主な内容は次のとおり。
＊「１回のみの手続原則（Once-only principle）」を導入し、ビジネス登録相互接続システム（BRIS）による関連情報を共有することで、他の加盟国での支店・会社の設立時の再度の情報登録を不要とする。
＊企業に関する基本情報を含むEU企業認証（EU Company Certificate）を無料で全てのEU加盟国の言語で提供する。
＊デジタルEU委任状の多言語標準モデルにより、他の加盟国の企業代表者の委任を可能とする。
＊アポスティーユや認証翻訳等の形式的手続を排除する。
また、国境をまたぐビジネスの透明性と信頼の向上に関する主な内容は次のとおり。
＊BRISを通じて、パートナー会社やグループ会社等の重要情報をEUレベルで公開する
＊BRISと他の2つのEUシステムを接続することで、企業情報の検索を容易にする。
＊登録前の事前確認を加盟国で行うことにより、登録企業情報の正確性、信頼性及び最新であることを確保する。