2022.11.14
【EU】欧州デジタル市場法（DMA）、11月1日に施行
欧州デジタル市場法（Digital Markets Act：DMA）が11月1日に施行された。DMAは、公正で開かれたデジタル市場を確保するために、大規模オンラインプラットフォームを運営するゲートキーパー事業者に対して義務を課すもの。ゲートキーパー事業者に該当するのは、市場への影響を及ぼす規模が大きく（EU域内の売上高が年間75億ユーロ以上等、かつ、EU3か国以上の加盟国でサービス提供）、ビジネス・ユーザがエンドユーザへサービスを提供するにあたりゲートウェイの役割（欧州域内で、4,500万人／月のアクティブ・エンドユーザ、かつ、1万社／月以上のアクティブ・ビジネスユーザを保有）を直近3年の間果たしている事業者。ゲートキーパーに指定された事業者には、自社サービス優遇の禁止や不公正なアクセス条件の禁止等の義務が課される。
施行から6か月後の2023年5月2日からDMAの適用が開始される。ゲートキーパーの要件に該当すると考えられる事業者は、同日から2か月後の同年7月3日までに欧州委員会に届出を行う必要がある。欧州委員会は、届出を受けてから45日以内に届出事業者のゲートキーパー事業者への該当性を判断し、指定を行う（欧州委員会の指定は、遅くとも同年9月6日までに完了する予定）。ゲートキーパーとして指定された事業者は、指定から6か月後の地点から、DMAに定められた義務を順守する義務が生じる（遅くとも2024年3月6日までにゲートキーパー事業者の義務が発生する予定）。欧州委員会は、DMAの適用に向けて、ワークショップの開催等を通じた産業界との対話を行っている。また、欧州委員会は、ゲートキーパーに該当する事業者の届出手続に係る規則を準備している最中。