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欧州委員会は7月28日、EU加盟国のデジタル経済及び社会分野における進捗状況を評価する年次報告書「デジタル経済・社会インデックス（DESI）2022」を発表した。各加盟国のデジタル化は進んでいるが、デジタルスキル、中小企業のデジタル変革（DX）、高度5G網の展開などの分野における格差是正については依然として苦闘していると指摘。また、復興レジリエンス・ファシリティ（RRF）の一環として、デジタル分野に対して1,270億ユーロ（約17兆円）の予算が分配されていることについて、同助成金を活用したEU及び加盟国によるDX加速が今後期待されるとしている。

先日、EU理事会と欧州議会が暫定合意した、2030年までのデジタル化政策プログラム「Path to the Digital Decade」では、DESIでカバーされているすべての分野におけるEU・加盟国間の協力を促進することが強調されており、2022年末の発効が予定されている同プログラムの年次報告書の評価基準としてこのDESIデータが活用されることとなっている。その他の同報告書のハイライトは以下のとおり。

＊＜DESI総合ランキング＞フィンランド、デンマーク、オランダ、及びスウェーデンが上位を占めた。一方、最もスコアが低かったのはルーマニア、ブルガリア、ギリシャ。最近5年間の成長が最も顕著であったイタリア、ポーランド及びギリシャであった。
＊＜デジタルスキル＞16～74歳の欧州市民のうち、基本デジタルスキルを保有しているのは54％（2030年までの目標は80％）。2020年、EU企業の55％が、ICT専門人材が不足していると報告しており、2030年までの目標2,000万人に対して、現在、確保されているのは900万人。
＊＜コネクティビティ＞光ファイバによる世帯カバー率は55％、人口密集地域における5Gカバー率は66％とギガビット接続が拡大している。しかし商用 5Gサービスの重要な前提条件である域内共通の周波数分配が遅れており、割当てが完了した5G用共通周波数は56％にとどまっている。
＊＜デジタル技術の普及＞コロナ禍で企業のデジタルソリューション導入は促進されたが、AI及びビッグデータ導入率は、それぞれ8％と14％と低水準であった（2030年までの目標75％）。
＊＜デジタル公共サービス＞主要な公共サービスのオンライン化はEU加盟国の大部分で既に実現。欧州デジタルIDおよびデジタルウォレット導入へ向けて、加盟25か国が既に具体的な取組みを進めている。