2022.07.22
【カナダ】ロジャース大規模通信障害、人口の25%以上に影響
通信最大手ロジャースによる大規模な通信障害が発生した。通信障害は7月8日朝から少なくとも15時間続き、BBCによれば人口の25％以上が固定／移動通信サービスを利用できなくなった。医療機関、法執行機関、金融機関にも影響は及び、一部ではATMや決済サービスが停止したという。ロジャースのトニー・スタフィエリCEOは翌9日に完全復旧を報告し、コアネットワークのメンテナンスアップデート後にネットワークシステムの機能が停止したことが通信障害の原因であると説明した。
カナダ政府は今後、通信障害に関する調査を実施する予定。また、イノベーション・科学・経済開発大臣は12日、ロジャース、BCE、テラス等のCEOと会談し、障害発生時に通信事業者が互助するための正式な合意を60日以内に締結するよう求めたほか、加入者への情報提供を改善する手順を策定するよう指示した。
なお、ロジャースは昨年3月に通信大手ショーを買収する計画を発表した。競争局がこれに反対したため、同社は今年5月に買収計画を一時停止し、競争局の懸念に対処しているところであるが、今回の通信障害によって消費者や政治家から市場競争の活性化を求める声が相次いで上がっており、両社の合併実現は危ぶまれる状況となっている。