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ICTワールドニュース

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2022.06.22

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  • 英国

【英国】英国政府、英国デジタル戦略を発表 

デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は、6月13日、政府横断的な戦略である「英国デジタル戦略」を発表した。英国をグローバルなテック超大国として強化し、デジタルビジネスの起業と成長のための欧州有数の地としての地位を築くことで経済を成長させ、より多くの高スキル・高賃金の雇用を創出することが目的。同戦略は、政府の新しいビジョンとして、以下の六つの主要分野に焦点を当てている(英国のデジタル戦略としては、直近では2017年に発表されたものがある)。

1.デジタル基盤
世界最高水準のデジタル・インフラストラクチャーを展開し、市民を保護しながら投資とイノベーションの両方を促進するような、軽規制(light-touch)で成長促進的な規制体制を整備する。
2.アイデアと知的財産
研究開発を通じてイノベーションを促進し、人工知能、半導体、量子コンピューティングなど、未来の技術における英国の専門性を高める。(量子については、今年後半に英国政府から初の「量子戦略」が発表される見込み。また、AIについてもAIガバナンスに関する政府方針が今年後半に発表される見込み。さらに、今年末までに「半導体戦略」も発表される見込み。)
3.デジタル・スキルと人材
英国経済が必要とするデジタル・スキルを学校から生涯学習までのあらゆる段階で提供し、世界中から優秀な人材を呼び込むための包括的なビザを用意して、技術系人材のパイプラインを強化する。
4.デジタル成長への融資
年金資金を含む英国資本を英国のスケールアップ企業に投資し、長期的な成長を支援するとともに、Innovate UK と British Business Bank を通じてイノベーションの支援を主導する。
5.繁栄の拡大とレベルアップ
各地域の企業が最新技術を取り込み、強力なデジタル経済の恩恵を全国に広げることを支援する。
6.世界における英国の地位向上
自由と開放を中心とした国際的なデジタル取引と技術ガバナンスシステムに協力する。

上記に加え、人工知能のような将来のテクノロジーを強化するために不可欠な英国のコンピュータ処理能力の外部評価とデジタル・スキルギャップに対処するための新しい専門家評議会(デジタル・スキル評議会など)の設置も行うとしている。


(参考)DCMSによれば、英国では現在、求人広告の80%以上がデジタル・スキルを必要としているが、雇用主は人材不足が成長を妨げている最大の要因であると述べているという。また、デジタル・スキルの格差により、英国経済は年間630億ポンドに相当する潜在的なGDPを失っているとの試算があるという。

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