[HTML]
H1

ICTワールドニュース

コンテンツ

研究員が日々収集・作成する情報の中から、現在日本での関心度が高いと考えられる、米・欧・アジアをはじめとした世界の主要なICT関連ニュースをセレクトして定期的にホームページに掲載していきます。

お知らせカテゴリー表示
国名等選択
お知らせ年度表示
掲載年選択
お知らせ表示

2022.05.12

  • ICTワールドニュース
  • 韓国

【韓国】尹錫悦政権の通信・放送政策方向


5月10日に発足した尹錫悦新政権は今後5年間の任期中に最優先で進める政策を分野ごとに110の国政課題としてまとめた。これに基づき520の政策が進められる。通信・放送分野ではどのような政策が重点的に進められるのか解説する。

通信分野では、サービス利用環境改善策として、5G料金プラン多角化、災害時の全国34万APのWi-Fi開放、28GHz帯活用地下鉄Wi-Fi構築拡大を進める。5G網拡大策では、5G周波数倍増(2026年まで)と農漁村の5G網整備、5G特化網(ローカル5Gに相当)拡大を推進する。また、FTTH全面移行策として、新築建造物に対して構内設備に光ケーブル設置を義務付け、市内電話のユニバーサルサービス提供方式に光回線電話を許容する。OpenRAN等新技術強化分野では、技術開発投資や2022年中のOpenRANアライアンス設立を実施する方針。早期に科学技術情報通信部が固定・無線の総合的な次世代ネットワーク発展戦略をまとめる計画である。

放送メディア分野では、韓国OTTのグローバル競争力向上を図り韓国版Netflixを育成する目標を掲げる。そのために、OTTをカバーする法制度整備を進め、メディア政策司令塔として仮称「メディア革新委員会」を設置する方針。他方で従来の放送メディアの成長を妨げるメディア所有規制は緩和する。メディアの公正性・公共性関連政策では、形骸化している公営放送の再許可制度廃止、放送審議体制見直しで民間による自律審議制度への転換が盛り込まれた。

通信・放送分野の政策方向はいずれもこれまでの基本路線に沿ったものであり、すでに準備が進められている政策が大部分という印象である。当面は野党勢力が強いねじれ国会状態のため、組織見直しや放送規制緩和といった分野では、どれだけ野党の協力が得られるかが迅速な政策展開のカギとなりそうだ。

韓国・政策に関する詳しい情報はこちらへ