ディッシュ及びAmazon Web Services（AWS）が4月21日に発表した提携により、ディッシュは同社通信ネットワーク全体をAWSに依存することとなるが、これが新たなベンダーロックインを生じさせる可能性が指摘されている。現在のところ、米国の大手通信事業者で基幹系サーバをパブリッククラウドに移行した例はないが、AT&Tは全てのOSS／BSSをパブリッククラウドに移行することを発表している他、ドイツテレコムもマイクロソフトのAzureと同様の契約を結んでいる。クラウドに移行する大きな利点は効率性であり、全ての通信事業者が効率性のみを追求すれば最終的にはAWS、グーグル、マイクロソフトの3社が全ての通信システムをホストすることも考えられる。移動通信業界では、現在、エリクソン、ファーウェイ、ノキアの3社への依存度が高いが、連邦下院が2020年10月の反トラスト調査報告で指摘したクラウド市場における大手独占の状況や、パブリッククラウドへの依存により、現在よりも深刻なベンダーロックインに陥る可能性がある。
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