フェイスブックや複数の電気通信事業者からなるコンソーシアムは、3月9日、米国家安全保障当局から中止を迫られていた、カリフォルニア~香港間のインターネット用光ファイバケーブル敷設計画の認可申請を取り下げるとFCCに報告した。同コンソーシアムがこの計画を認可申請したのは2018年であり、カリフォルニア州の2か所を香港及び台湾と接続することを計画していた。フェイスブックは、「米国と香港の直接的な通信リンクに対して米国政府が懸念を示していることから、認可申請の取り下げを決定した」と説明し、今後、この懸念に対応してルートを再検討した上で改めて認可申請する方針を示している。
米国政府当局は、中国との新たな通信リンクの構築に警戒を強めており、フェイスブックとアルファベットが資金を提供する「Pacific Light CableNetwork」も計画が中断し、現在は中国領を経由しないルートで運用を開始するための認可を申請している。また、フェイスブックとアマゾンも、昨年、シンガポール、マレーシア、香港、米国を結ぶ「Bay-to-Bay Express」システムの申請を取り下げた。FCCは、昨年4月、中国の国営通信事業者4社に対し、米国における営業許可の取り消しを示唆しており、これは、米国のネットワークから中国に関係する事業者を排除するための広範な取組みの一つと見られている。
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