人工知能(AI)に関する国家安全保障委員会(NSCAI)は3月1日、国家の安全を保障し、民主主義の将来を守るためには、AIイノベーションにより多くの投資をすべきとする最終報告書を発表した。報告書は、中国とのAI競争に勝つための連携や投資が不足していること、及びAIで可能になる脅威への対応や、国家安全保障を目的としたAIアプリケーションの導入に遅れが見られることを指摘。AIによって競争が加速する時代を想定し、米国政府を再編成するとともに、最も近い同盟国と連携するための統合的な国家戦略を示すべきとして、60を超える提言を行った。また、提言の実現には2022-2032会計年度において2,000億ドル以上が必要になると見積もっているほか、2026年までに非防衛関連の連邦研究開発予算を320億ドルまで増額させるべきと主張している。提言には、以下の内容が含まれる。
*悪意ある外国からの影響に対応するため省庁横断タスクフォースを創設すること
*メディア認証や偽情報検出等に関する国防高等研究計画局(DARPA)の予算を増額すること
*AI専門基金を設立すること及びAI研究開発予算を増額すること
*全米技術財団(National Technology Foundation)を創設すること
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