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ICTワールドニュース

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2021.02.02

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  • 英国

【英国】英競争・市場庁(CMA)、O2とバージンメディア、バージンモバイルとの合併案に関して、課題声明を発表

英競争・市場庁(CMA)は、1月21日、O2とバージンメディア、バージンモバイルとの合併案に関して、課題声明(Issues Statement)を発表した。合併による消費者物価の上昇と競合他社の5G接続の悪化のリスク等を懸念した。CMAは、O2の親会社であるスペインの通信大手テレフォニカと、バージンメディア、バージンモバイルの親会社である米メディア大手のリバーティ・グローバルによる英国事業の合併案に関して、2020年11月に欧州委員会から審査の移譲を承認されて以降、フェーズ1及び2審査を実施。フェーズ1調査では、小売モバイル、固定通信及び一部のビジネスサービスの供給において市場の重複の可能性を指摘した。これにより、今回発表された課題声明では、競争が減少する可能性がある2社間のサプライチェーンの垂直的関係に焦点が当てられた。同声明で特定された、2つの分野の潜在的な弊害は以下のとおり。

*競合他社のMVNOへの卸モバイルサービスの供給における競争の実質的制限の可能性。O2は現在、スカイモバイルやテスコモバイル等のMVNOに卸モバイルサービスを提供しているが、例えば、O2が供給を拒否したり、卸モバイルサービスの供給条件や品質を低下させ、MVNOの小売りレベルでの位置を弱め、競争力に影響を与える可能性を評価する。

*MNOへの卸専用回線の供給における競争の実質的制限の可能性。バージンメディアは、BTのオープンリーチ社に次ぐ、MNOへのモバイルバックホールの2番目に大きな提供者である。合併事業者は、競合他社のMNOのパッシブファイバ専用回線に対して、卸専用回線を供給する際に競争の実質的制限を行う能力と動機の両方を持つことになる。これにより、価格の引き上げ、サービス品質の低下、パッシブファイバ専用回線の展開を停止または遅延してMNOのネットワークカバー率が減る可能性がある。また、卸専用回線は、5Gの開発にとっても重要であるため、5G展開の悪化のリスクもある。

CMAは、合併案が英国の1つ以上の市場で競争を縮小させる場合が発生する可能性があると結論付けた場合、救済することが適切かどうか、どのような救済策が適切かを検討するとした。また、同声明への利害関係者からの意見募集を2月4日まで受け付けるとした。

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