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ICTワールドニュース

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2021.01.22

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  • 米国

【米国】民主党、上下両院過半数獲得、想定されるテクノロジー政策への影響

バイデン次期大統領は、1月6日、前日に実施されたジョージア州の二つの上院決選投票結果に関し声明を発表、いずれも民主党候補が勝利した。これにより、民主党は、上下両院で過半数を獲得し、上院でも5年振りに支配権を握ることとなるため、次のようなテクノロジー政策に関して影響が出ると予測されている。

*ネット中立性:
NEXTTVは、上下院で過半数を占めることになる民主党とホワイトハウスがネット中立性規則を復活させることになるとするが、そのためにはブロードバンアクセスをタイトルIIとして定める法律の制定や、空席となっている民主党FCC委員の任命を急ぐ必要があるとしている。

*反トラスト法関連:
バイデン次期大統領は、選挙期間中から大手IT企業の影響力乱用に懸念を表明しており、反トラスト法改正について民主党は既に報告書を作成済みのため成立する可能性も高いと見られている。さらに、IT大手の解体を提案する同党のデビッド・シシリーニ下院議員は選挙期間中からバイデン選対に積極的に関与しており、政権移行チームとも密接な関係を保っている。Protocolによると、大手IT企業が潜在的なライバルを買収することを困難にすることや、新市場への参入方法に関する新しい規則などが含まれる可能性があり、少なくとも、議会は、連邦取引委員会(FTC)と司法省に予算を投入し大手IT企業に対する反トラスト訴訟を支援する可能性がこれまで以上に高くなると見られている。

*通信品位法第230条:
Protocolによると、民主党も懸念を示してはいるものの、共和党ほどこの問題には固執していないと見られており、新型コロナウイルスワクチン配布や米国人への追加給付金などよりも、通信品位法改革の優先順位は下がる可能性があるが、同条項改正の動きが進むのは間違いないと見られている。民主党は主に、テクノロジー企業のモデレーションの欠如と、過激派、暴力的又はその他の不快なコンテンツの影響に対する通信品位法第230条が提供する保護について懸念を表明している。バイデン次期大統領から次席補佐官に任命されているブルース・リード氏らは、とくにオンラインで子供を傷つけるコンテンツに関連する同条の改正を求めている。いずれも民主党で、上院のブライアン・シャッツ議員とリチャード・ブルメンサール議員、下院のアンナ・エシュー議員とトム・マリノフスキー議員がそれぞれ法案を提出している。

*プライバシー保護法:
Protocolによると、2020年に連邦プライバシーフレームワークである「消費者オンラインプライバシー権法案(COPRA)」を提出した民主党マリア・キャントウェル上院議員が、新たな上院商業委員会委員長に就任する可能性があると見られている。COPRAは、企業が収集した個人情報を表示及び削除する権利をユーザに付与し、IT企業にユーザのデータをどのように処理しているかを明確に説明するよう要求するもので、個人がプライバシー違反について企業を訴え、州が独自のプライバシー法を可決できるようにする規定も含まれているが、一貫して連邦法が州法を無効にするべきであると主張する大手IT企業からの重大な反発を招く可能性がある。

*顔認識技術:
バイデン次期大統領とカマラ・ハリス次期副大統領は、すべての政策分野で公民権に焦点を当てることを約束しており、ハリス氏が差別的アルゴリズムや偏った顔認識技術などの問題に取り組む可能性は高いと見られている。Protocolによると、バイデン政権移行チームの主要メンバーを含む多くのプライバシーと公民権擁護者は、プライバシー保護法についてAIバイアスに対処するよう議会に働きかけているといい、上院民主党のコリー・ブッカー、ロン・ワイデン両議員によるアルゴリズム説明責任法などが議論される可能性があるという。また、過去の民主党の警察改革法案には、警察官による顔認識技術の使用を制限する規定が含まれていたという。

*メディア所有権規制:
NEXTTVは、上院商務委員会及び司法委員会の委員長に民主党議員が就任することが想定され、メディア所有権規制の強化などの可能性を挙げている。

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