デジタル・文化・メディア・スポーツ省（DCMS）は、2021年1月13日、5G Createコンペで選定された9つの5Gプロジェクトを発表した。人々の生活を改善し、パンデミックからの回復を促進する5Gプロジェクトには、政府及び企業から2,830万ポンド（約40億860万円）の共同資金が提供される。
幅広い分野で5Gの可能性を探求するために設立されたオープンコンペである「5G Create」では、新しい5Gユースケースを調査及び開発し、政府の資金提供が終了した後の持続可能性を実証することを目的としている。コンペは2つのラウンドが実施され、7月31日に6プロジェクトが選定され、今回第2回目のラウンドでは、観光、スポーツ、ロジスティックス、運輸、クリエイティブ産業、建設などの多様な部門から9プロジェクトが選定された。
コンテストの第2ラウンドでは、DCMSから総額で1,520万ポンド（約21億5,300万円）が提供され、残りの1,310万ポンド（約18億5,600万円）はプロジェクトパートナーから提供される。プロジェクトのうち5つは、オープンRANの技術的可能性もテストする。オープンRANの採用は、デジタルインフラサプライチェーンの多様性、競争、セキュリティを強化することを目的とした政府の5G多様化戦略の重要な要素を形成する。また、選定されたプロジェクトの中には、EE、O2、スリーUKといった主要携帯事業者もコンソーシアムの一員として参画しているものもある。
選定されたプロジェクトは以下のとおり。
＊ミルトン・キーンズ5G（MK5G）：フットボール会場のスタジアムMKで5Gアプリケーションをテストし、会場内での効率性、訪問者とスタッフにより良い体験を提供する。トライアルでは、無人シャトル、自律監視者とドローンの使用、商品の配達とホスピタリティでのロボット及びドローンの使用等が含まれる。
＊エデン・ユニバース（オープンRAN）：5G及び360度ビデオカメラで訪問者の体験を向上させる。自宅、介護施設、学校等、世界中のどこからでも、デスクトップ、携帯電話、またはバーチャルリアリティデバイスを介して展示や講演、リアルタイムVRツアーを体験することができる。また、ローカルの5Gインフラは、エネルギーや水管理などのコアサービスに関するリアルタイムデータを提供するためにも使用される。
＊Connected Cowes（オープンRAN）：没入型のヨットレース体験、リアルタイムでのVRビデオのストリーミングを5Gテクノロジーで提供する。
＊5G AMC 2（オープンRAN）：プライベート5Gネットワークを構築し、カメラ、ドローン、複合現実感、IoTセンサーを使用して建設プロセスを監視し、資産を追跡する等、建設プロセスの生産性を最大化する。
＊Live and Wild（オープンRAN）：英国のドキュメンタリー映画を5Gで撮影することで、ハイエンドのビデオコンテンツをライブストリーミングで提供する。5Gの復元力、適応性、信頼性、画質等を試す。
＊Project Vista：5Gを最大限に活用して、ライブマルチアングルHDビデオストリームとイベントからのインタラクティブコンテンツといったスタジアム内デジタル体験を提供する。最終目標は、消費者の需要を実証し、近い将来に5Gを利用したスポーツイベントを可能にするビジネスケースを提供すること。同プロジェクトは、デジタルカタパルト、O2等によるコンソーシアムが率いる。
＊The Green Planet AR：5Gを利用した、携帯電話向けの画期的なARアプリを提供する。同アプリでは、植物や生き物を英国中の多くの場所でストリーミングすることで、すべての年齢の視聴者が自然界についてもっと学ぶことができる没入体験を提供する。同プロジェクトは、ロンドン王立植物園キューガーデン、EE、BBC Studiosから成り立つコンソーシアムが率いる。
＊5G Ports：CCTVの送信を介してリモート制御クレーンを有効にし、IoTセンサーと人工知能を導入することで、クレーンの余地保全サイクルを最適化する。5Gの有効活用することで、計画外の停止を減らしながら、生産性と効率の向上を実証する。同プロジェクトは、スリーUK、ケンブリッジ大学、エリクソン、シーメンス等が参画している。
＊5Gロジスティックス（オープンRAN）：ブリストル港とGravity Smart Campusでの運用をサポートし、スマートでダイナミックな港湾環境を実証するための5G製品とサービスを開発する。同プロジェクトは、パブリックネットワークとプライベートネットワークの間で、セキュリティ、トレーサビリティ、及び商品の追跡に焦点を当てる。
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